【2019~2020年】日本のインターネット広告費ってどのくらい?ネット広告費用に着目して解説!
国内電通グループの株式会社電通、株式会社電通デジタル、株式会社D2C、株式会社サイバー・コミュニケーションズは「2020年 日本の広告費インターネット広告媒体費 詳細分析」を発表しています。
これらの情報を基にどのような割合でインターネット広告利用されているのか、上記の情報を元に日本全体におけるインターネット広告の推移や動向などについて解説をしていきます。
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- 【2022年版】最新のWEB広告費動向について
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この記事の目次
日本の総広告費用の推移
まずは日本全体における広告費用の総額をご覧ください。
2019~2020日本全体の総広告費用合計:
2020年総広告費用:6兆1,594億円
2019年総広告費用:6兆9,381億円
増減:-7787億円
なお総広告費用における構成比は以下の通りです。
日本の広告媒体の構成比:
- マスコミ媒体(新聞、雑誌、テレビ、ラジオ):36.6%
- インターネット:36.2%
- プロモーションメディア:27.2%
2020年の総広告費は6兆1,594億円で、2019年の6兆9,381億円に比べ大幅に減少しています。(前年比88.8%)
上の表からもわかる通り、近年、日本の総広告費は徐々に成長傾向にありました。そんな広告費が2020年に、マイナスに転じたのは、やはり新型コロナウイルスの影響が大きいでしょう。
2011年に発生した東日本大震災以降、日本全体の広告費は成長を継続していました。しかし9年ぶりのマイナス成長になってしまったようです。
この影響で日本のみならず世界全体の経済が落ち込み、そういった経済的な危機が訪れると広告費に回す予算を削減する施策をとる企業が相次ぎます。
ちなみに交通広告や屋外広告などが該当するプロモーションメディア広告は特に新型コロナウイルスの影響を受けました。(前年に比べ24.6%も減少)
また、「マスコミ4媒体広告」と呼ばれる「新聞」「雑誌」「ラジオ」「テレビ」の広告費も年々の減少傾向にあり、同じくして成長率が減少しました。
一方で広告業界全体が落ち込む傾向であるにも関わらず、「インターネット広告」は成長傾向にあります。
インターネット広告費は成長傾向
2020年の日本におけるインターネット広告費の総額:
2020年のインターネット広告費総額:2兆2,290億円(前年比105.9%)
2020年の日本全体のインターネット広告費は、2兆2,290億円で、前年に比べ5.9%の成長。1996年から一貫して成長傾向にあります。
また「インターネット広告費」から「インターネット広告制作費」と「物販などのECプラットフォームに使用される広告費」を除いた総額は、運用型広告と巣ごもり需要の影響もあり、1兆7567億円(前年比5.6%)となりました。
なお、「物販などのECプラットフォームに使用される広告費」は1321億円(24.2%)、インターネット広告制作費は3402億円(1.4%)となっています。
インターネット広告の変化を分析
2020年にインターネット広告費が伸びたことはわかりました。では、インターネット広告はどのような変化をしてきたのでしょうか?
日本のインターネット広告の市場規模は以前の3倍に!
上の表は、日本全体のインターネット広告費の推移を表したものです。総広告費の推移に比べ、日本のインターネット広告費は右肩上がりに成長していることがわかります。広告費を市場の大きさだと仮定すると、2010年から2020年の10年間で、インターネット広告の市場規模は約3倍になっていることになります。広告業界で唯一といってもいいほど成長しているのがインターネット広告業界といえるでしょう。
また、社会に大きな影響をもたらしたリーマンショックや、東日本大震災などが起こった年を差し引いて考えてみると、総広告費は毎年少しづつ増えています。つまり、広告業界全体の市場規模は小さくなることなく成長してきました。インターネット広告の伸びを考えると、広告業界全体の成長を支えてきたのはインターネット広告だといえるかもしれません。
2020年日本国内の総広告費でインターネット広告が占める割合
2020年日本国内全体の広告費のうち、インターネット広告が占める割合:36.2%
この表は、日本全体の総広告費に対するインターネット広告費の割合の推移を示したものです。日本全体のインターネット広告費用の日本の総広告費に対する割合は、年々着実に増加していることがわかります。
近年では日本全体の広告費総額の約2割以上をインターネット広告が占めるようになりました。
社会の変動を受けにくい?インターネット広告
また、国内の総広告費は、リーマンショック・東日本大震災・新型コロナウイルスなど、災害や経済危機が発生した場合、その影響を受け減少する傾向を見せています。
しかし、インターネット広告費・割合の推移を見てみると、社会現象による規模縮小はなかったことがわかります。したがって、この先インターネット広告が社会現象によって、需要が減少することは考えにくいといえるでしょう。
新型コロナウイルスの影響で、社会にとって、インターネットがさらに重要で欠かせないものになりました。これからの時代、さらにデジタル化が進んでいくことが予想されます。そう考えると、インターネット広告の市場規模はより一層拡大していくことになるかもしれません。
新型コロナウイルスの影響で、社会にとって、インターネットがさらに重要で欠かせないものになりました。これからの時代、ますますデジタル化が進んでいくことが予想されます。そう考えると、インターネット広告の市場規模はより一層拡大していくことになるかもしれません。
インターネット広告の内訳
次に日本国内におけるインターネット広告がどのような内訳で形成されているのか以下のグラフをご覧ください。
インターネット広告の構成割合(2020年度)
- 検索連動型広告:6787億円(38.6%)
- ディスプレイ広告:5733億円(32.6%)
- 動画広告:3862 億円(22.0%)
- 成果報酬型広告:985億円(5.6%)
- その他:200億円(1.1%)
最も構成比率が高いのが検索連動型広告(リスティング広告)で、6787億円(38.6%)、次に続くのがディスプレイ広告(32.6%)そのあとに動画広告と成果型報酬広告が続きます。
検索連動型広告についてはこちらの記事をご覧ください。
→【リスティング広告とは?】基礎知識、費用や仕組み、メリットについて解説
ディスプレイ広告についてはこちらの記事をご覧ください。
→【WEB広告】とは?WEB広告の種類やメリットをわかりやすく解説!
また成果型報酬広告以外は微増ではありますが、すべて増加していることがわかります。
インターネット広告の現在と将来の動向
インターネット広告の今後の課題や将来の動きについて
- データの精度の高さと有用性
- プライバシー問題
社会のデジタルネットワーク化が進行し、企業にとってはネットを通じて取得され利用される個人情報に関するデータの有用性に期待が集まっています。
インターネット広告のビジネスでは、インターネットを使用するユーザーの様々な情報、例えば購入履歴や閲覧履歴、使用しているデバイス情報など、を利用して広告配信することができます。
これらのデータを扱うことで、企業のマーケティング活動における分析がより正確に信憑性を持った内容に変わるため非常に使い勝手が良いと考えられます。
一方で、個人に対する情報の取り扱いについて、個人情報が守られていないなどといった消費者のプライバシー保護の重要性を認識し、安心で安全なネットワークを構築することが求められていることも事実です。
最近では、Appleがユーザーに対してデータ取得に関しての同意を求めるようになるようなiOSのアップデートも行われました。以下の記事をご覧ください。
→【Facebook広告】なぜiOS14対応が必要?の疑問に答えます
まとめ
今回は、2019-2020年を中心に「日本の広告費」のデータから、広告業界全体で起こったことや、インターネット広告で変化したことについての情報を掲載しました。
日本における主要な広告媒体や、全体の広告費の割合が変わるなど、時代の急速な変化とともに広告業界も変わりつつあることが学べましたね。
急成長中のインターネット業界に対して広告を打ってみることも、心強い一つのマーケティング手法となることでしょう。
ここまでご覧いただきありがとうございました。
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【参考資料】
「2020年 日本の広告費インターネット広告媒体費 詳細分析」:電通
インターネット広告市場の動向と
利用者情報の取扱い等に関する取り組みについて:一般社団法人 日本インタラクティブ広告協会(JIAA)