Z世代マーケティングは超重要!成功事例5選や特徴を捉えた手法も紹介
1996年〜2012年ごろに生まれた人々を示すZ世代。商品やサービスを提供する際に、Z世代へのマーケティングやアプローチが重要視されています。
Z世代へのマーケティングは、まず当てはまる人々の特徴や価値観を理解しなければなりません。
そこでこの記事では、Z世代マーケティングについてわかりやすく解説します。必要性やZ世代マーケティングのポイントなどを解説しますので、しっかりと理解できるでしょう。
また、成功事例もお伝えします。Z世代に対しての効果的なマーケティングを実施するためにも、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
Z世代マーケティングの必要性

Z世代マーケティングの必要性が高まっている理由は、大きく2つあります。
- Z世代はこれからの消費を担うから
- デジタルネイティブでほかの世代とは価値観が異なるから
成果を上げるためにも、Z世代マーケティングの必要性を確認しておきましょう。
Z世代はこれからの消費を担うから
日本では少子高齢化が進んでおり、高齢者の人口割合が増えています。とはいえ、これから世の中に出て収入を増やし、消費活動をする中心となるのはZ世代です。
Z世代の多くは労働するようになり、購買力を少しずつ高めていくと予想できます。中長期的な視点で見ても、これから購買力を高める世代を無視はできません。
Z世代へ早めにアプローチできなければ、大きな機会損失につながる可能性があるのです。
デジタルネイティブでほかの世代とは価値観が異なるから
Z世代はデジタルネイティブと呼ばれ、発信力が高いユーザーも多く、その影響を無視できません。
例えば、InstagramやX(旧Twitter)など、SNSでの発信力が高いZ世代が「この商品いいよ」と発信すれば、情報が一気に拡散・共有されます。
さらに、インフルエンサーが発信した情報が注目されたり、大きな影響を与えたりするのもZ世代の特徴といえるでしょう。
また、Z世代はほかの世代とは異なる価値観を持っています。そのため、従来のマーケティングでは通用しない恐れがあるのです。
いずれにしても、これまで通りのやり方だけで戦うという考え方では、成果につながらない可能性が高いでしょう。
Z世代の特徴6選

Z世代の特徴は、以下の通りです。
- デジタルネイティブ
- SNSの積極的な利用が浸透している
- 体験に魅力や価値を感じる
- SDGsの社会問題への興味関心が強い
- 自分らしさを多様性を大事にしている
- トレンドがすぐに移り変わる
Z世代の特徴も把握して、マーケティングに活かしていきましょう。
デジタルネイティブ
Z世代は、物心ついた瞬間からデジタルデバイス、インターネットが当然のように存在するデジタルネイティブ世代です。そのため、スマートフォンやパソコンなどのデバイスや、SNSのようなアプリの操作に戸惑うことはありません。
そして、情報を集めるのはもちろんのこと、ショッピングや情報のリサーチ、勉強まで多くの活動をインターネット上で行います。
SNSの積極的な利用が浸透している
Z世代は、SNSの積極的な利用が浸透しています。InstagramやX(旧:Twitter)はもちろん、近年話題になったBeRealなど、さまざまなSNSを駆使して、リアルタイムでコミュニケーションを積極的に取ります。
さらに、目的は単にコミュニケーションを取ることだけではありません。
例えば、InstagramやGoogleマップで飲食店を探したり、ショッピングしたりすることもあります。SNSが当たり前のように生活に溶け込んでいるのがZ世代の特徴です。
体験に魅力や価値を感じる
また、Z世代はリアルな体験に魅力や価値を感じるという特徴も持ち合わせています。オフラインでの体験が非常に重要な意味を持ちます。
例えば、以下のような体験はZ世代からの評価も高い傾向があります。
消費体験 | 説明 | 例 |
---|---|---|
コト消費 | サービスや商品の利用を通じて得られる体験のこと | ・旅行 ・マッサージ ・遊園地 ・キャンプなど |
トキ消費 | その時・その場所でしか体験できない盛り上がりなどを重視する消費行動 | ・フェスやライブ ・ハロウィンイベントなど |
イミ消費 | 社会的・文化的な意味を重視した消費行動 | ・復興支援商品 ・クラウドファンディングなど |
エモ消費 | 価格や機能性ではなく感情的な満足度を重視する消費行動 | ・推し活 ・現像が大変なフィルムカメラの使用 ・開発秘話を考慮して商品を購入するなど |
Z世代にアプローチするなら、うまく体験と掛け合わせると成果を得やすくなるでしょう。
SDGsなどの社会問題への興味関心が強い
Z世代は、SDGsやサステナビリティなどの社会問題への興味関心が強いという特徴もあります。
Z世代の多くは、小さい頃から環境問題や人種問題について学んできているので、社会問題への意識も高い傾向があります。
例えば、サステナビリティに対する興味関心を世代間で比べると、Z世代はベビーブーマー世代に次ぐ高さです。さらに、Z世代は女性よりも男性のほうがサステナビリティに興味関心が高いという結果でした。
参照:デロイト トーマツ『2024年度「国内Z世代意識・購買行動調査」』
社会問題を自分ごととして捉える力は、世代間で見ても強いといえるでしょう。
自分らしさを多様性を大事にしている
Z世代は、多様性を大事にしています。そのため、誰かの選択を否定することなく尊重して受け入れる傾向があります。
そして、その多様さの中で自由な生き方を選ぶ自分らしさも持ち合わせており、非常にバランス感覚の良い世代といえるのではないでしょうか。
多様なライフスタイルもZ世代の特徴の一つです。
実際、BIGLOBEが行った「Z世代の意識調査」でも、多様性は大切だと思うと答えた人は8割にのぼります。さらに、周囲から浮かないようにしたいと答えたのが7割弱と、多様性を大事にしながらも、自分が目立つことには抵抗があるという人が多い結果となっています。
参照:「多様性は大切だと思う」 8割、「人と競争するのが苦手」7割BIGLOBEが「Z世代の意識調査」第1弾(価値観・行動編)を発表 – ニュース – ビッグローブ株式会社
トレンドがすぐに移り変わる
Z世代は、インターネットやSNSを積極的に利用することもあり、トレンドの移り変わりが早い傾向があります。そのため、タイミングを間違えばこの前まで流行していた商品やサービスが全く売れなくなるということもあるでしょう。
価値があると感じてもらうことに加え、トレンドの移り変わりへの対応も、Z世代マーケティングには欠かせません。このトレンドの移り変わりの早さに対応するためにも、Z世代に向けたマーケティングは欠かせません。
Z世代マーケティングを実施する11個のポイント

Z世代マーケティングを実施するときのポイントは、以下の11個です。
- インフルエンサーを活用する
- SNSでシェアできる仕組みを作る
- ターゲットに合わせてSNSを使い分ける
- 信頼度の高い情報発信をする
- 購入に至るまでの導線をわかりやすく設計する
- リアルな体験ができる仕組みを作る
- 共感・充足感を重要視する
- 最新トレンドに乗っかる
- 商品やサービスに誕生の背景やストーリーを持たせる
- レビュー・口コミを公開する
- Z世代に嫌われる広告を理解して避ける
Z世代マーケティングに取り組むなら、誤ったアプローチでは結果に結びつきません。
以降で大切なポイントを詳しく見ていきましょう。
インフルエンサーを活用する
まず、SNS上にいるインフルエンサーは積極的に活用してください。前述しましたが、Z世代はSNSを当然のように使いこなしますし、もはや生活の一部といっても過言ではありません。
そこで、インフルエンサーのような人気を持つ人が、サービスや商品を紹介すればZ世代からの知名度は高まると予想できます。もちろん、人気のインフルエンサーが使用することで、それを見たユーザーからの購入で売上の伸びも期待できるでしょう。
SNSでシェアできる仕組みを作る
Z世代がSNSを使っているのは周知の事実として、それをうまく利用しなければなりません。そこで、SNSでシェアしたくなるような仕組みを作ります。
例えば「シェアすると〇〇が当たる」といったキャンペーンやハッシュタグをうまく活用してみてください。シェアしてもらえれば、より効率よく市場を広げられます。
ターゲットに合わせてSNSを使い分ける
Z世代へのアプローチを図るうえで、SNSなら何でもよいというわけではありません。より効率よくマーケティングを行いたいなら、ターゲットや目的に合わせてSNSを使い分けましょう。
例えば、女性をメインターゲットに据えるのであればInstagramの活用がおすすめです。
参照:総務省情報通信政策研究所「令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」
SNSを活用する際は、ターゲットや目的を明確にしてから選ぶようにしてみてください。
信頼度の高い情報発信をする
Z世代は、インターネットに精通しているので、信頼度の高い情報でなければ見向きされない可能性があります。Z世代に信頼度が高いと判断されるのは、以下のようなアカウントが発信する情報です。
- 公式マークがある
- 企業アカウントである
- 著名なインフルエンサーである
- 第三者機関の調査による裏づけがある
Z世代に向けたマーケティングを行うなら、信頼度が高いと判断されるアカウントとの連携も考えたほうがいいかもしれません。
購入に至るまでの導線をわかりやすく設計する
購入に至るまでの導線をわかりやすく設計しましょう。
Z世代は購入したいものについてさまざまなSNSを使って情報収集するので、導線がわかりにくいとほかで購入したり、そのまま買い忘れてしまったりする事態を招きます。
買いたいと思った瞬間に、購入までスムーズに移行できるように設計しておく必要があります。
リアルな体験ができる仕組みを作る
インターネットやSNS上の情報を充実させることも重要ですが、リアルな体験ができる仕組みを作ることも大切です。
例えば「体験型のイベントの実施」や「ポップアップショップの主催」など、オフラインならではの体験を考えてみてください。オンラインでは味わえないような体験が提供できれば、Z世代の心をグッと掴めるでしょう。
共感・充足感を重要視する
Z世代は、コストパフォーマンスはもちろん、共感や充足感も重要視しているので外せません。
例えば、単にコストパフォーマンスがよいものよりも、共感できるサービスや商品のほうが人気を博す場合もあります。
また、SNSの投稿やインフルエンサーも、自分の価値観にあったものを選択する傾向があります。共感・充足感といったより人間的な部分にフォーカスすることも重要です。
最新トレンドに乗っかる
Z世代向けのマーケティングを考えるうえで、最新トレンドの把握は欠かせません。これはZ世代はトレンドの移り変わりが早く、最新の流行に敏感だからです。とくに、SNS上で話題となっているものは見逃さないように注意しましょう。
また、実際にZ世代の声をヒアリングするのも効果的です。トレンドの把握などに役立つでしょう。
商品やサービスに誕生の背景やストーリーを持たせる
商品やサービスそのものにこだわるのはもちろん、Z世代向けであれば、誕生の背景やオリジナルのストーリーを持たせましょう。
例えば、大塚グループの瓶で飲むポカリスエットはZ世代から非常に注目を集めました。これは、瓶で飲むポカリスエットが単に循環型ショッピングプラットフォーム「Loop」を利用したサステナブルな商品だっただけではなく、レトロだったからです。
同商品の登場により、「サステナレトロ」という言葉が誕生し、多くのZ世代から愛される結果となりました。
Z世代は、単に商品やサービスを見ているのではなく、こうした背景やストーリーにまで目を向けています。
よって、背景やオリジナルのストーリーへの共感がそのまま購入につながります。
レビュー・口コミを公開する
インターネットやSNSが普及して以降、多くの方が商品やサービスを購買する際にレビューや口コミを参考にするようになりました。とくにZ世代は、レビューや口コミはよく参考にします。
そのため、レビューおよび口コミは公開しましょう。公開しないとその商品やサービスをどう評価していいかわからず、購入しづらいものとなってしまいます。
レビューや口コミが積極的に行われる環境を作っておくのがおすすめです。
Z世代に嫌われる広告を理解して避ける
Z世代に嫌われる広告を理解して避けるのも、ポイントの一つです。
例えば、以下のような表現をしている広告はZ世代から嫌われます。
- 広告っぽさが強い表現
- 不安を煽る表現
- コンプレックスを助長する表現
Z世代は自分らしさを大切にしているので、自分を否定したり、煽ったりするような広告には嫌悪感を抱く恐れがあります。広告自体が嫌われてしまったら元も子もありませんので、注意してください。
Z世代マーケティングの成功事例5選

ここで、Z世代マーケティングに成功した事例を5つ紹介します。
- 株式会社タップル
- 日本酒造組合中央会
- 日本釣用品工業会
- 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
- 大塚製薬株式会社
成功したケースを確認すれば、Z世代マーケティングがよりイメージしやすくなるかもしれません。一つずつ見ていきましょう。
事例1.株式会社タップル|TikTokのショートドラマ
株式会社タップルは、TikTokを活用したショートドラマで大きな成功を収めています。具体的には、アカウント開設からたった1年でフォロワー34万に加え、累計再生回数で2億回を達成しました。
このショートドラマは、Z世代の好きな少女漫画のような展開となっており、非常に注目を集めました。結果、自社サービスへの登録も促進できています。
事例2.日本酒造組合中央会|参加型リアルイベント
日本酒造組合中央会は参加型リアルイベントを実施して、Z世代向けにお酒の良さをアピールしました。
Z世代に人気の芸人さんを招待したことに加え、Z世代に自分だけのお酒の楽しみ方を知ってもらったことで、より親近感を持ってもらうことに成功しています。
Z世代に馴染みのあるインフルエンサーの起用、Z世代が重視しているリアルな体験の2つを掛け合わせたこの取り組みは大成功だったといえるでしょう。
参照:日本酒造組合中央会「そろそろ飲んでみる?ヒコロヒーと試す、本格焼酎・泡盛 試飲会」
事例3.日本釣用品工業会|BuzzFeedを活用
日本釣用品工業会は、ユーザーにZ世代が多いBuzzFeedで釣りに関連したクイズ形式の記事を作成しています。目的は釣りに関するマナーの周知でしたが、クイズ形式という体験型でコンテンツを提供したことで、Z世代に数多くシェアされました。
結果、日本釣用品工業会の認知度向上につながっています。
参照:日本釣用品工業会「【激ムズ】釣り好きにしかわからない用語クイズ」
事例4.三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社|TikTokと恋リアの掛け合わせ
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社は、TikTokと恋愛リアリティショーを掛け合わせて成功しました。TikTokでは総視聴回数が220万、いいねは1万5,000件を超えています。
北海道へのふるさと納税を促進することが目的でしたが、結果ブランドの認知度向上にも寄与したといえるでしょう。
参照:三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「どうする?私」
事例5.大塚製薬株式会社|SNSで受験生応援企画
大塚製薬株式会社は、Z世代が受験シーズンやテスト期間中に、モチベーションを維持するためにSNSで勉強アカウントを活用していることに目をつけました。
具体的には絵馬メイトという企画を行い、絵馬に書きたい想いをSNS上で募集しました。その後、それらの想いを実際に巨大絵馬に書き写して奉納しています。
このようなZ世代の学生に寄り添った企画は、カロリーメイト自体のイメージ向上につながっています。
Z世代特有の購買モデル「EIEEB」とは?

定番の購買行動モデルとして、以下のようなものがあります。
- AIDMA
- AISAS
しかし、Z世代はこのような従来の購買行動モデルに当てはまらないとされており、新たなモデルである「EIEEB」が登場しています。
EIEEBは、以下の5つの単語の頭文字を取ったものです。
- Encounter:スマートフォンで魅力的な商品やサービスと出会う
- Inspire:その商品やサービスに感銘を受ける・自分ごと化する
- Encourage:SNSやサイトなどで情報を収集して不安を解消させる
- Event:イベントととして最適な方法で購入する
- Boost up:自分の感想を他人と共有して高め合う
Z世代に多くは、自分で見つけた商品やサービスをパイオニアとして、他人へ広めたい・伝えたいという強い欲求があります。
上記のモデルは、そうしたZ世代の特徴を形にした行動モデルといえるでしょう。
広告を活かしたZ世代マーケティングならサイバーホルン

Z世代は、日々インターネットやSNSを積極的に活用するため、広告にも日頃から目に触れています。よって、Z世代マーケティングにおいても、広告の活用は欠かせません。
そこで、広告を活かしたZ世代マーケティングならサイバーホルン株式会社にお任せください。当社は、運用歴10年以上の知見から培われた効果の出る広告運用設定とAIを駆使して、成果を最大化するのが特徴です。
そして、Z世代に効果的なSNS広告のサービスも提供しています。
- Meta(Facebook)広告
- Instagram広告
- TikTok広告
- YouTube広告
- LINE広告
- X(Twitter)広告
さまざまなSNSに対応しているので、ターゲットや目的に合わせて使い分けが可能です。さらに、単に運用するだけではなく、LP制作やSEO対策など一気通貫で依頼可能ですので、大きな労力をかけずに広告運用をスタートできます。
Z世代に効果のあるSNS広告を検討しているなら、ぜひ当社へお気軽にご相談ください。
まとめ:Z世代の特徴を理解してマーケティングに取り入れよう

Z世代はこれからの消費を担う存在として、企業のマーケティング戦略において重要なターゲットです。
しかし、価値観や行動がほかの世代と大きく異なるため、従来の手法では通用しません。
そのため、Z世代に対してのマーケティングを行っていく必要があります。具体的には、SNSやインフルエンサーの活用、リアルな体験の提供などが効果的です。また、SNS広告を活用するのも一つの手です。
Z世代の特徴をしっかりと理解し、マーケティングに取り入れて成果につなげましょう。