ROASとは?広告の重要指標ROI・CPAとの違いや改善策も解説
「ROASって何を表すのかよくわからない…」
「広告運用で活用するROASの指標について知りたい」
このような悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか?
本記事では、Webマーケティングで活用されるROASについてご紹介します。ROI、CPAとの違いやROASの改善策も解説しますので、広告運用の分析を進めたい方はぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
ROASとは広告運用における費用対効果を示す指標
ROASとは、Return On Advertising Spendの略称であり、広告の費用対効果を示す指標です。
打ち出した広告費に対してどれほど売上につながったのかを分析し、得られた効果から継続していくべきかの判断を行う際に用いられます。
例えば、Aの広告よりもBの広告のほうがROASの値が高い場合。Aの広告に予算配分を多く割り当てて、より売上アップを狙う施策を練られるでしょう。
一方、ROASが低い広告は費用を無駄にしている可能性が考えられます。低い原因を追求し、広告のリンク先の広告文やデザイン、セールスライティングなどを改善する必要があります。
ROASの計算式
ROASは、「広告費を使用した売上額÷投資額×100(%)」の計算式で求められます。
例えば、100万円の広告費で300万円の売上になった場合。ROASは、300万円÷100万円×100=300%となります。
一方、100万円の広告費に対して20万円しか売上にならなかった場合。ROASは、20万円÷100万円×100=20%となります。
また、ROASの損益分岐点は「単価 ÷(単価 - 原価)× 100」で求められます。仮に単価が10万円で商品の原価が4万円だった場合。損益分岐点となるROASは、10 ÷(10- 4)× 100で約167%。つまり、167%を下回ると赤字になります。
ROASの目安
ROASの数値を見る目安として「値が100%を超えているか」が1つの指標となります。
100%に到達している場合、広告費用は全て回収できている証拠です。ただし、100%では利益にはつながっていません。
ROASの値が高いほど、高い広告効果が得られているといえます。
また、ROASは売上で計算されるため、ユーザーごとの購入単価にも影響を受けずに計測できます。
ROASを活用するメリット
ROASを活用するメリットは以下の3点です。
- 売上につながる広告を数値で測れる
- 改善が必要なクリエイティブを的確に修正できる
- 売上データなどをもとに広告戦略を建てられる
売上につながる広告を数値で測れる
ROASの測定で、売上に直結する広告効果を数値で測れます。
ROASが高ければ、その広告の費用対効果が高いと分かります。
つまり、効果の高い広告に適切な予算を割り当てられるので、売上アップの再現性が高い施策ができるでしょう。
改善が必要なクリエイティブを的確に修正できる
また、ROASの指標から売上につながらない広告がわかります。費用対効果の低い広告は改善の余地があると分析できます。
「このクリエイティブだとユーザーの興味関心を惹きつけられない」「ユーザー属性的に早く商品を購入できるようにボタンの位置を変えよう」など、ROASをもとに改善すべきポイントが明確になるでしょう。
的確な改善ができれば、費用対効果の高いクリエイティブにブラッシュアップできます。
売上データなどをもとに広告戦略を建てられる
ROASを測定すると、広告ごとの売上データから今後の予測や戦略を立てやすくなります。
例えば、ABテストを実施してそれぞれのROASがわかれば、どのような戦略と方向性で進めれば良いのか検討できるでしょう。
実際のデータを活用すれば、将来の売上予測や長期的な広告戦略の構築に役立てられ、中長期的に利益を生み出す施策を打てます。
ROASのデメリットは実際の利益が測定できないこと
ただしROASは、売上をベースに考えるため、実際の利益は測定できません。
仮にROASが90%だとすると、100万円の広告費で売上が90万円上がった場合も該当します。このケースでの利益は10万円です。パーセントほど利益は大きくないと感じられたのではないでしょうか。
このように、ROASが高いからといって必ずしも大きな利益が発生しているとは限らない点に注意しましょう。
ROASとROI・CPAとの違い
続いて、ROASのように広告で使用される指標のROIとCPAとの違いについてみていきましょう。
ROI
ROIとは、Return On Investmentの略称で、広告費用に対してどれだけ利益につながったのかを測る指標です。
ROASは売上であるのに対し、ROIは利益をベースに考えます。ROIが高いほど、より多くの利益を得られるといえます。
ROIは、利益額÷広告費×100(%)の計算式で求められます。ROASの売上額の部分が利益額に変わっただけといえばわかりやすいでしょう。
例えば、売上が500万円で原価が300万円、販管費50万円、広告費用が100万円の場合。ROIは、(500万-300万円-50万円)÷100万×100=150%となります。
なお、ROIの損益分岐点は0%です。よって100%を下回っても赤字とは限りません。
CPA
CPAは、Cost Per Actionの略称で、コンバージョン1件あたりにかかった広告単価を表す指標です。顧客獲得単価とも言われます。
CPAは、広告費用 ÷ コンバージョン数の計算式で求められます。
では仮に、100万円の広告費用に対して2万人のユーザーを獲得できたとしましょう。この場合のCPAは、50円になります。
商品購入や会員登録、お問い合わせ、資料請求など、さまざまな成果地点で活用され、施策の継続判断に用いられます。
ROASを高める改善策4選
ROASの数値を高める為に行う改善策は以下の4点です。
- CVRの向上を図る
- 広告の配信ターゲットを明確化する
- リピート率を向上させる
- PDCAを回して効果検証を行う
CVRの向上を図る
まず、ROASを高めるためにCVRの向上を図りましょう。
CVRは、広告のアクセス数から実際に成約に至った人数の割合を示します。よって、CVRが向上すれば、売上も高まり費用対効果の改善につながります。
ボタンの位置やデザイン、キャッチコピー、訴求の流れなど、CVRの改善につながるポイントを見直し、改善していきましょう。
広告の配信ターゲットを明確化する
広告の配信ターゲットを明確化することも大切です。
そもそもターゲットが明確でないと、ユーザーを惹きつける広告は作成できません。よって、売上にもつながりにくいでしょう。
ターゲットの年齢や性別はもちろん、興味や思考、生活習慣など、対象ユーザーを具体化して、その顧客にアプローチすることを意識した広告を出稿してみてください。
リピート率を向上させる
リピート率の向上もROAS改善につながります。
リピーターはすでに認知を取れているため、新規顧客の獲得よりも広告費がかかりません。一度使用した時の満足度やアプローチの頻度がリピート購入につながります。
よって、顧客の購買データを分析し、個別のコミュニケーションやリピート促進施策を展開することで、効率的に売上を高めてROASの改善につなげられます。
顧客との信頼関係を築きながら、継続的な購入を促す取り組みをしましょう。
PDCAを回して効果検証を行う
そして、PDCAを回しながら効果検証を実施してください。
ROASを高めるには、売上につながらない原因とつながった要因の解析および改良が大切です。短期的に売上アップを目指すには、その分、分析と改善のスピードを早めるしかありません。
効果検証を通じて、実際の数値データから費用対効果の高いWeb広告を見極められます。
PDCAサイクルを回して、売上につながる施策を見つけましょう。
まとめ:ROASを理解して費用対効果の高い広告を出そう
ROASを理解することで、売上につながる数字を把握し、改善することで広告効果が上がります。
ROASだけでは、利益を測る事はできませんが、ROIなどの他の指標を併せて用いることで広告効果を測定できます。本記事でROASの理解を深め、自社の広告効果を高めていきましょう。