カスタマージャーニーマップとは?作成フロー7ステップと活用例3つを紹介
「カスタマージャーニーマップって何を表すのかよくわからない…」
「実際にカスタマージャーニーマップの作り方を知りたい」
このような悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか?
本記事では、マーケティングで活用されるカスタマージャーニーマップについてご紹介します。概要から作成方法、活用事例まで幅広く解説しますので、顧客行動心理を可視化して、マーケティングをより活性化させたいという方はぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
カスタマージャーニーマップとはユーザーの意思決定プロセスをまとめたもの
カスタマージャーニーマップとは、実在する顧客の購買行動における心理や行動を包括的に可視化し、図やグラフに落とし込んだものです。主に、普段の日常生活から購入検討、購入フェーズなど、一連のフローごとのタッチポイントを捉えるために活用されます。
カスタマージャーニーマップの作成により、情やニーズに適応したサービス提供やマーケティング戦略を練ることができます。
カスタマージャーニーマップの目的・メリット
では、カスタマージャーニーマップを作成する3つのメリットを紹介していきます。
- ユーザーの行動や感情・不満などを俯瞰して捉えられる
- チームでの共通認識を持てる
- 課題や施策への優先度を明確にできる
ユーザーの行動や感情・不満などを俯瞰して捉えられる
カスタマージャーニーマップの作成により、各フェーズにおける顧客の行動や感情、不満などを明確にして整理できます。
顧客の感情や不満を普通に考えるだけではわからないニーズも、1歩引いて俯瞰して捉えることで見えてきます。
より顧客目線でのアプローチができ、ユーザー満足度の高い施策の立案につながるでしょう。
チームでの共通認識を持てる
カスタマージャーニーマップを用いて情報を整理することで、チーム内での共通認識を持てます。
それぞれの共通認識のもと、同じベクトルを向いた状態でそれぞれに設定されたゴールやKPI達成に向けて進められます。
また、開発やマーケティング担当など、一連の流れに関わる各部門との擦り合わせも容易になり、組織全体として施策立案や検討をより効率的に行えます。
課題や施策への優先度を明確にできる
カスタマージャーニーマップは、顧客の行動フェーズごとにニーズや課題を洗い出し、時系列順にまとめられます。
そこで「まずどこを改善しなければならないのか」が明確になるので、優先順位を決めやすくなります。
優先順位の高い重大なポイントから改善を進められるため、顧客満足度も高めやすいでしょう。
カスタマージャーニーマップの作成フロー7ステップ
それでは、カスタマージャーニーマップの作成フローを7ステップで解説していきます。
- ターゲット・ペルソナを明確に設定する
- 縦軸の項目を設定する
- 横軸の項目を設定する
- 顧客行動を整理する
- 顧客感情を整理する
- タッチポイントを設定する
- マッピング・KPI設定をする
ターゲット・ペルソナを明確に設定する
まずターゲットやペルソナを設定をしましょう。
ペルソナ設定では、購入や利用に至るまでの行動パターンだけでなく、一般的な生活習慣や趣味なども考慮します。具体的にペルソナを設定する際は、性別や年齢、地域などの基本情報から、職場の状況、家族構成、趣味、価値観まで、多角的に捉えると顧客の行動を具体的に描けます。
縦軸の項目を設定する
カスタマージャーニーマップの縦軸設定では、主に5つの要素が設定されます。
- ユーザーがどのような行動を行っているか
- ユーザーがどこで何に接触するか
- ユーザーが何を思考しているか
- ユーザーがどのような感情を持つか
- ユーザーが体験後にどのような問題点や不足感を感じるか
カスタマージャーニーを知るうえで、設定したペルソナの視点から、思考や感情、課題を調査して洗い出す必要があります。
しかし、必ずしも5つの要素すべてを設定する必要はありません。それぞれの企業の事情や目的に応じて、最適化しましょう。
横軸の項目を設定する
カスタマージャーニーマップの横軸には、4つのステージが設定されます。
プロセス | 内容 |
---|---|
サービスの認知 | ユーザーが初めてサービスを知る瞬間 |
情報の収集と比較 | ユーザーがサービスに関する情報を収集し、他のサービスと比較を行う時期 |
サービスの体験・購入 | ユーザーが実際にサービスを使用したり、購入したりする段階 |
購入後の経験 | ユーザーがサービスを利用した後の状況 |
これらのステージは、ユーザーが購入プロセスを経てどのように変化していくのかを表しますが、自社の商品やサービス、または目標に合わせた項目の変更も可能です。
顧客行動を整理する
顧客行動を考え整理しましょう。
具体的な事例を描き出すことが効果的です。
認知フェーズ、情報収集・比較検討、体験・購入、購入後の顧客行動を考えましょう。想定される顧客行動を全てリストアップし、その中から最も可能性が高い行動パターンを整理してみると理解しやすくなります。
顧客感情を整理する
顧客の感情を各ステージごとに明確にしましょう。
顧客行動と同様に、認知フェーズや情報収集・比較検討、体験・購入、購入後の顧客感情を考えてみます。初期のカスタマージャーニーマップが完成したら、より細かいフェーズの設定や、顧客の感情をグラフ化することで、購入意欲の動向を把握できます。
タッチポイントを設定する
タッチポイントとは、顧客がブランドやサービスと触れ合う際の接点を指します。
顧客がサービスと接触する各段階でのタッチポイントを具体的に設定し顧客の感情を洗い出します。タッチポイントを設定する際の重要な観点は、設定したペルソナに基づいて具体的なタッチポイントを想定することです。設定したペルソナが、どのようなタッチポイントを利用するのかを詳細に検討しましょう。
マッピング・KPI設定をする
ペルソナの行動、意識、感情を理解したら、それらを時間軸に沿って整理し、カスタマージャーニーとしてマッピングします。各段階においてはKPIも同時に設定しましょう。
カスタマージャーニーマップを作成する際には、全ての関係者が同じ理解を持てるように意見を共有し、詳細を調整します。このプロセスを通じて、具体的な改善策やKPIが明確になります。
カスタマージャーニーマップの企業事例2選
この章ではカスタマージャーニーマップを導入している企業の事例を2つ紹介します。
- 三井住友銀行
- IKEA
三井住友銀行
三井住友銀行では、カスタマージャーニーマップCJMMを通じて組織全体の一貫管理を実現しています。CJMMはビジョン、コンセプト、ビジネスジャーニーマップ、カスタマージャーニーマップの4つの要素で構成され、デザインチームはそれをUXフロー図に細分化して活用しています。
参照:SMBC DESIGN
この手法により、個別最適化の傾向を排除し、顧客視点に基づいたアイデアや施策を展開することが可能になります。さらに、CJMMは意見の共有や全体最適化の視点を促進し、プロジェクトの方向性を客観的に示すことも期待されています。
IKEA
IKEAのカスタマージャーニーマップは、商品ラインナップを初めて知る顧客から、購入を決定し、自宅で組み立てるまでの一連の体験を描いています。
IKEAのマッピングには、顧客が店内で過ごす時間や、家具を選ぶ際の感情など、具体的なタッチポイントも詳細に記されています。
ジャーニーマップを通じて、IKEAは自社スタッフに、顧客がどのように商品を見つけ、どのように感じ、それをどのように使用するかを深く理解させます。顧客の行動や感情をより細かく捉え、より良いショッピング体験を提供するための改善点を明確にできます。
カスタマージャーニーマップのテンプレート3選
実は、カスタマージャーニーマップを簡単に作成できるテンプレートがあります。そこで特に活用しやすいテンプレート3選を紹介します。
- 15VISION
- bizocean
- HubSpot
15VISION
出典:15VISION
Macユーザー向けのカスタマージャーニーマップのテンプレートとしておすすめなのが、デザインユニット15VISIONです。15VISIONのテンプレートは、項目数が少なくシンプルなデザインなので、簡易的なカスタマージャーニーマップを作成したい方にとても使いやすいです。また、このテンプレートは会員登録やフォーム入力などは必要なく、誰でも簡単にダウンロードできます。
bizocean
ペルソナの感情変化を細かく表現したい方におすすめなのが、bizoceanでモチベーショングラフを作成できます。
出典:bizocean
テンプレートは10個のステージに分かれ、B2Bビジネスの検討段階が多い場合に適しています。bizoceanのテンプレートは無料会員登録を行うことでダウンロードできます。
HubSpot
HubSpotでは、7種類のカスタマージャーニーマップのテンプレートを無料で提供しています。
出典:HubSpot
テンプレートは、作成手順や作成時の注意点が詳細にパッケージ化されており、初心者にもおすすめの資料です。
それぞれのテンプレートは、使い分けることで目的に応じたカスタマージャーニーマップを作成できます。HubSpotのテンプレートは、カスタマージャーニーマップの作成をスムーズに進めるための有用なツールです。
カスタマージャーニーマップを作成する際の注意点5つ
では最後に、カスタマージャーニーマップを作成する時の注意点を5つ解説していきます。
- 企業の思い込みで作成しない
- 作成することを目的に混同しない
- 他部門と協力して複数で作成する
- 最初から完璧なものを作り込もうととしない
- 完成後もアップデートし続ける
企業の思い込みで作成しない
カスタマージャーニーマップを作成するにあたって、企業側の思い込みで作成してはいけません。
「商品の検討段階ではこう思っているのではないか?」「購入時の感情はこうだろうからこの施策を実施したら良さそう」のように漠然と設定してもそれが全て正しいとは限らないでしょう。
実際に、思っていた感情や悩みとリアルの顧客は感じ方が違っていたとなれば、時間をかけてまとめたマップや施策は意味を成しません。
そこで、必ず実際の顧客へアンケートやインタビューなどを行い、各フェーズでのリアルな声を反映してください。
作成することを目的に混同しない
カスタマージャーニーマップは、作成に時間がかかるため、作ること自体を目的にしがちです。ですが、作成そのものを目的化してはいけません。
顧客の心情や悩みを理解し、より良いアプローチを実現するため、商品やサービスを改良するために行います。
カスタマージャーニーマップの作成後に、改善点の洗い出しや施策の立案など、しっかりと事業に反映させましょう。
他部門と協力して複数で作成する
カスタマージャーニーマップは、1人のスタッフで作成してはいけません。必ず他部門の人材と協力して複数人で仕上げましょう。
1人のスタッフで作成することによる、主観や「自分はこうしたい」といった独りよがりな意見の混入を避けるためです。
複数人で作成すれば、客観的な捉え方をしやすくなり、新しい発見が見えてくるかもしれません。より顧客視点なマップの作成につながります。
最初から完璧なものを作り込もうととしない
カスタマージャーニーマップの作成は、最初から作り込もうとして全ての接点を網羅しようとしてはいけません。まずはシンプルなものを作成し、全体を捉えられる状態を目指しましょう。
顧客の認知から購買におけるフェーズの全体像を把握できれば、細かな不足分は見えてくるはずです。
いきなり完璧なものを作ろうとしては、いつまでも手が進まなくなってしまうでしょう。
そもそも、完璧なカスタマージャーニーマップは存在しません。中には空欄が生まれる項目もあるかもしれませんが、調査していき1つずつ埋めていきましょう。
完成後もアップデートし続ける
カスタマージャーニーマップは、定期的にアップデートしていきましょう。
インターネットが普及する中で、顧客の購買行動は認知〜購入のAIDMA(アイドマ)から認知〜シェアのAISAS(アイサス)などと常に変化しています。
トレンドの傾向によっても、ユーザーの行動は変わるでしょう。
それにも関わらず、カスタマージャーニーマップはいつまでも同じものを採用していては、顧客ニーズに的確なアプローチはできません。
完成後もマップを定期的に見直し、顧客行動の変化にも柔軟な対応を取れるようにしておきましょう。
まとめ:カスタマージャーニーマップの作成で顧客行動の理解を深めよう
カスタマージャーニーマップを正しく制作できれば、顧客の行動心理を把握し、適切なマーケティング施策を打つことができます。カスタマージャーニーマップを作ることは簡単ではありませんが、多数のメリットを受けられます。
本記事でカスタマージャーニーマップの理解を深め、実際に制作してみましょう。