BtoB企業必見!リスティング広告の運用ガイド!成功に導くポイント解説
BtoB企業のリスティング広告出稿は即効性があり、手応えを感じやすい施策の一つです。
しかしただ運用すれば良いというものではありません。しっかりコツを押さえて運用すると、成果がグッと高まります。
この記事では、BtoB事業におけるリスティング広告のメリットや広告運用のポイントを紹介します。最後に成功のコツをまとめたチェックリストを用意したので、運用の際にぜひ活用してください。
この記事の目次
BtoBのリスティング広告とは?
リスティング広告とは、検索キーワードに応じて検索結果一覧画面に表示されるテキスト広告です。検索連動型広告とも呼ばれます。
検索を利用するユーザーはニーズが明確であるため、成果につながる可能性が高く、Web広告の中でも即効性がある広告の一つです。
また同じように検索履歴に応じて表示させる広告として、ディスプレイ広告があります。こちらはWebサイト上に表示する広告で、テキストだけでなく画像も表示可能です。
BtoBリスティング広告の特徴・BtoCとの違い
BtoBのリスティング広告は、BtoCとは異なる特徴があります。
- 検索ボリュームが小さい
- CPCが高い傾向にある
- 獲得件数を伸ばしづらい
- デバイスや時間帯で閲覧状況に違いがある
それぞれの特徴について、理由も合わせて詳しく解説します。
検索ボリュームが小さい
BtoB企業の商材は、BtoCに比べて検索ボリュームが小さくなりがちです。
その理由は、BtoB企業で扱う商材は専門分野や特定の業務のみで利用されるものが多く、一般消費者向けのBtoC商材よりも利用する人自体が少ないためです。
検索ボリュームが小さいと、1つのキーワードから得られる顧客の数はBtoCよりも少なくなります。
CPCが高い傾向にある
CPC(Click Per Cost)とは「クリック単価」のことで、広告がクリックされるごとに発生する費用です。
BtoBのCPCはBtoCよりも高い傾向があり、その要因は市場の狭さにあります。
そもそもリスティング広告のクリック単価は、広告の入札単価や広告品質、検索キーワードの競争率など複数の要因で決定されます。
入札単価が高いほど検索結果上位に表示されやすくなりますが、BtoBの市場はBtoCに比べて狭いため競争が激しく、結果として入札単価が高くなります。
CPCを抑えて上位表示を狙うには、広告品質など入札単価以外の改善が大切です。
獲得件数を伸ばしづらい
獲得件数を伸ばしづらいという点も、BtoB特有といえるでしょう。
BtoBの商材の多くは一般消費者向けのBtoC商材よりも購入費用が高いため、購入ハードルが高くなります。
また実際に購入を判断するのは検索をしている担当者ではなく、決裁権を持つ立場の人です。競合他社との比較も当然行われるので、購入が決まるまではBtoCよりも時間がかかります。
これらの要因から、BtoBのリスティング広告はBtoCよりも獲得件数を伸ばしづらくなっています。
デバイスや時間帯で閲覧状況に違いがある
BtoC企業のターゲットである一般消費者は幅広く、一人ひとりの生活リズムが異なるため早朝から深夜まで広告を閲覧してもらえます。
しかしBtoBの場合、検索するのが基本的に業務時間内であるため、閲覧の時間帯は限定的です。
また検索に利用する媒体も、BtoCはスマートフォンがほとんどであるのに比べてBtoBではパソコンでの閲覧が多いのが特徴です。
参考:LINEリサーチ
BtoBリスティング広告の運用メリット
BtoBでリスティング広告を運用すると、以下5つのメリットがあります。
- ニーズのあるユーザーへダイレクトにアプローチできる
- 短期間で効果が見られる
- ユーザーごとに適切な広告配信ができる
- 広告効果を検証しやすい
- 広告費用を調整できる
いずれも効率的な広告運用につながります。
ニーズのあるユーザーへダイレクトにアプローチできる
リスティング広告は、ニーズが顕在化したユーザーに直接アプローチできます。
検索をかけるユーザーはすでに購入を検討しています。また検索時は、実際に購入への行動を起こすタイミングでもあります。
そのような商材購入への意欲が高く、かつ最も意欲が上がっているタイミングで直接アプローチできるのは、リスティング広告の強みといえるでしょう。
短期間で効果が見られる
リスティング広告は管理画面での準備が整えば、すぐに検索結果へ表示されるようになります。
適切なキーワードが設定されていれば、広告の出稿直後から、ホームページへの流入やクリック数という形で効果を実感できるでしょう。
ユーザーごとに適切な広告配信ができる
リスティング広告は、ターゲットとするユーザーに合わせてキーワードや配信時間帯、配信エリアを細かく設定できます。そのため、ニーズがあるだけでなく、閲覧されやすい時間帯や、受注につながりやすいエリアに絞って配信が可能です。
たとえば、経営者向けのコンサルティングを提供する企業が、対面での面談を希望するユーザーに向けて「経営コンサルティング 対面」というキーワードを設定します。
このキーワードで配信エリアを自社から通える範囲のみに絞れば、通えるエリアにしか配信されないため「対面」という訴求が活かされます。
広告効果を検証しやすい
リスティング広告は、ユーザーへの閲覧から成果地点にいたるまでのさまざまな指標を追跡できます。そのため広告効果を検証しやすく、改善をしやすいというメリットがあります。
以下は確認できる指標の一例です。
- 検索結果に表示された数
- クリック数、クリック費用
- クリックから成果に至った数
- 検索結果一覧の中の表示順位など
たとえば「広告がクリックされていない」という課題が出た際に、「表示がされていない」のと「表示はされているがクリックされてない」では、必要な対策が全く異なります。
前者では入札単価の引き上げなどが必要で、後者では広告の見出し設定改善が必要です。
改善点を的確に分析することで、費用、業務負荷ともに無駄のない運用改善が可能になります。
広告費用を調整できる
リスティング広告は、広告費用を運用途中でも調整できます。
CPCが高すぎると感じる場合は入札単価を引き下げて、もし流入数などの効果が下がればすぐに戻すなど試行錯誤が可能です。
また成果が思ったより早く出れば、予定していた期間より前に広告出稿をやめても構いません。
同じインターネット広告でも、広告枠を買い切るタイプの広告では初期費用や月額費用という形で決まった額がコストになります。
リスティング広告なら、成果を見ながらいつでも調整ができるので、初期投資があまり割けない企業でもコストコントロールが容易です。
BtoBリスティング広告の平均CPAは約18,000円
CPA(Click Per Action)とは顧客獲得単価のことで、新規顧客1件を獲得するためにかかった広告費用を示します。
WordStream社が発表したレポートによると、BtoB企業のリスティング広告の平均CPAは116.13ドル(約18,503円)でした。※2024年6月時点
参照:Google Ads Benchmarks for YOUR Industry
BtoBリスティング広告で成功に導く運用ポイント
リスティング広告を成功させるためには、以下7つのポイントを押さえましょう。
- ターゲットが検索しそうなキーワードを選定する
- ユーザーに合わせて配信設定をする
- マイクロコンバージョン(MCV)を設定する
- 潜在層に目を向けた運用をする
- 継続的な運用でPDCAを回す
- 遷移先のLPも改善する
- 商材ごとに予算を最適化する
詳しく解説します。
ターゲットが検索しそうなキーワードを選定する
もっとも重要なのは、ターゲットが検索しそうなキーワードを選定することです。
リスティング広告は検索結果に表示されるので、選定するキーワードによって効果は大きく変わります。
たとえば成果につながりやすいワードをキーワードに入れると、より購入意欲の高いユーザーの画面に表示させられます。
以下はプラスしやすいワードの例です。
- 資料請求
- 成功事例
- 料金
- 納期など
もし、BtoC向けの商材と競合してしまう場合は「大ロット」や「業務用」などのワードを組み合わせてみましょう。企業向けの商材を探しているユーザーにマッチします。
さらにこれらのワードに単語を追加して、3〜4語で構成された「ロングテールキーワード」を設定するのもおすすめです。検索ボリュームは小さくなりますが、競合が減るためクリック単価を低くしても効果を出しやすくなります。
もし良いキーワードが思いつかないという場合は、顧客や検索データを分析するツールを利用しましょう。
- 既存顧客、見込み客にアンケートなどでヒアリングする
- SNSや口コミを参考にする
- 「Googleアナリティクス」で自社サイトへの流入キーワードを調べる
- 「キーワードプランナー」で自社に関係するワードを探す
「Googleアナリティクス」や「キーワードプランナー」はGoogleが提供している検索データ分析サービスです。キーワード選定だけでなく、効果分析のツールとしても活用できます。
なお、競合が獲得しているキーワードからヒントを得るのも有効です。
ユーザーに合わせて配信設定をする
ユーザーに合わせた配信設定も大切です。
リスティング広告では、検索キーワードのほかに、以下の条件で配信設定ができます。
- 配信地域
- 配信する曜日、時間帯
- 配信先デバイス
- 勤務先業種、社員数
- ユーザーが調べている情報など
多くの企業は、平日日中が主な業務時間です。配信する曜日を「平日の日中時間帯」にすることで、より多くの人に見てもらえるようになります。
またBtoBではパソコンが主な検索ツールですが、経営者など業務時間外や移動中の検索が多い人向けにアプローチしたい場合はあえて「モバイル」を対象とするケースもあります。
サービスの提供地域が限られる場合は、配信地域の制限も忘れないようにしましょう。売上につながりにくいクリックが減り、費用を抑えられます。
マイクロコンバージョン(MCV)を設定する
マイクロコンバージョン(MCV)とは、最終成果に到達するまでの間に設ける小さな目標のことです。
たとえば最終的に「購入申し込み」を目標とするのであれば、そこにいたるまでに以下のようなステップが考えられます。
- リスティング広告の閲覧
- リスティング広告のクリック、ホームページの閲覧
- 資料請求
- 見積もり依頼
このようなステップごとに成果を設定することで、ボトルネックとなっている部分を見つけやすくなり、効果的な改善策を立案、実行しやすくなります。
潜在層に目を向けた運用をする
潜在層にも目を向けた運用も行ってください。
BtoBリスティングの広告は先述の通り検索ボリュームが小さいため、顕在層だけでは大きな売上につながりません。
しかし潜在層は商材を知らないため、顕在層とは違うアプローチが必要です。
そのためにできる施策の一つは、より幅広い層へリーチする「ディスプレイ広告」です。
ディスプレイ広告は検索履歴からユーザーの興味関心がある分野を分析し、検索結果以外のWebサイトなどに広告を出稿します。
まだ表面化していない課題を認識させ、より確度の高い検索に誘導するきっかけになるでしょう。
継続的な運用でPDCAを回す
継続的に運用してPDCAを回し続けることも欠かせません。
リスティング広告は即効性が高い施策ですが、実際に始めてみるとさまざまな改善点が出てきます。
例えば、CTR(閲覧数に対するクリックの割合)が低い広告は、停止したり差し替えたりして、全体のクリック率を改善していきましょう。
また世の中の流行やトレンドの変化に応じて、出稿するキーワードの追加や削除も随時行います。
なお効果検証と分析を行う場合は、分析4原則を意識しましょう。
- ざっくり全体を見る
- 細分化する
- 比較する
- 時系列で見る
これらの原則を意識すると、主観的な誤解やバイアスの少ない、正確な分析ができるようになります。
遷移先のLPも改善する
リスティング広告をクリックして遷移するLP(ランディングページ)も改善対象になります。
たとえ広告がクリックされても、LPで商材の詳細や申し込みへの導線がわかりづらい場合は申し込みなどの成果にはむすびつかないでしょう。
またLPの品質は、リスティング広告の順位自体にも影響します。同じ入札単価を設定していても、LPの品質が高いほど上位に表示されやすくなります。
LPの品質は、ヒートマップツールやGoogle広告の管理画面でも確認可能です。Google広告の場合「品質スコア」というステータスが低い場合は、LPに問題があると考えて改善したほうがいいでしょう。
また改善の方針が決めきれないというときは「ABテスト」が有効です。
ABテストは2つの異なったLPを作成し、ランダムに表示させて成果の違いを見るテスト方法です。よりコンバージョンの高いほうのLPを正式採用します。
商材ごとに予算を最適化する
さらに、商材ごとの予算を最適化してください。
商材によってターゲットが異なる場合は、よりターゲット層の数が多いキーワードの予算を増やしましょう。競合が多くても上位表示を狙いやすくなります。
また他社と比較できるポイントがある製品やサービスであれば、無理に1位を取らなくても、比較検討の結果で受注が見込めます。
例えば、経費精算ソフトであれば、以下のような項目で比較されます。
- 費用
- エクスポート機能
- 他社OEMとの連携
- スマートフォンで現場社員が入力できるかなど
このような場合、そもそもターゲットが求めている機能が異なるので、無理に1位を取る必要はありません。表示順が3位や4位でも、十分に売上につながる可能性があります。
ただし、検索結果は上位であるほどクリックされる可能性は高いので、成果を見ながら調整していくといいでしょう。
なお予算を調整する場合は、ABCD分析が有用です。
ABCD分析とは「CVの多さ」と「コストの高さ」で広告を4つのグループに分けて予算配分を検討する手法です。低予算でCVを取得しているグループはより出稿を強化し、コストがかかってCVが取得できていないグループは出稿を減らします。
運用前にチェック!BtoBリスティング広告のチェックリスト
実際に運用に入る前に、準備に抜け漏れがないかチェックできるリストを用意しました。
ターゲット設定のチェックリスト
ターゲット設定時は、以下のポイントを確認してください。
- ターゲットの業種や規模、課題を商材ごとに定義できているか
- 広告を行う目的が明確になっているか
運用方針のチェックリスト
運用方針は、以下のポイントを確認してください。
- 商材ごとのターゲットに合わせた広告を作成しているか
- コンバージョンの定義は決まっているか
- コンバージョンタグを設置し、正しく集計されるかテストを実施したか
- Google Analyticsなど計測ツールのためのタグ設定をしているか
- 目標コンバージョン数を決めているか
- 目標CPAは適切に設定されているか
- 社名、サービス名とそれ以外のキーワード目標CPAを別々に設定しているか
- 予算金額を決めているか(代行やサポートを利用する場合は外注費用を含める)
- 予算の消化ペースを決めているか
- 担当者がメリットを感じられるメッセージを入れているか(最短翌日発送など)
- 実績関連のワードを入れているか(導入実績◯◯社突破、売上◯◯万円達成など)
- 単価は業界の目安などを参照して適切に設定しているか
- タイトルや説明を文字数の上限まで入れているか
- 社名やサービス名のキーワード設定時は、タイトルや説明文を自然検索結果に表示される内容と分けているか
- 見出しにターゲットのニーズや不安を解消するワードを入れているか
- 配信エリアを対応可能なエリアにしているか
- ターゲットの営業時間に合わせた配信時間になっているか
- ターゲットに合わせた配信媒体を選んでいるか
- オプション設定は正しいキャンペーンに紐づけられているか
キーワード設定のチェックリスト
キーワード設定時は、以下のポイントを確認してください。
- 顕在ニーズを反映したキーワードを選んでいるか
- 法人向けの複合キーワードを設定しているか
- 競合他社の設定キーワードをツールで確認して自社キーワードの選定を行ったか
- 競合他社と誤認されるキーワードを設定していないか
- 消費者向け(BtoC)のキーワードが除外できているか
- 除外キーワードのマッチタイプはフレーズ一致になっているか
- 競合他社のサービス名や企業名を除外キーワードに設定しているか
- 除外キーワードリストを使用する場合、キャンペーンに紐づいているか
- すべてのキーワードが「承認」ステータスになっているか
広告LPのチェックリスト
広告LPは、以下のポイントを確認してください。
- 広告目的、キーワードに沿ったLPを用意しているか
- 広告の遷移先URLは正しいか
- 最終成果(申し込みなど)までの導線がわかりやすいか
運用時のチェックリスト
広告の運用時は、以下のポイントを確認してください。
- 流入結果から検索語句をチェックし自社と関係がない語句は都度除外設定をしているか
- ABCD分析を活用して入札単価を調整しているか
- CTRが低い広告の停止や差し替えを行っているか
- 効果分析は分析4原則が守られているか
BtoBのリスティング広告運用ならサイバーホルン
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まとめ:BtoBはリスティング広告運用で成果につなげよう
BtoBのリスティング広告は、ニッチな業界であってもコストを抑えつつ効率的にターゲットへリーチできます。
キーワードを工夫すれば潜在顧客の掘り起こしにも力を発揮するため、売上拡大や販路拡大にも効果的です。
スムーズな導入と継続的な効果改善で、リスティング広告運用を成功させましょう。