RLSA(検索広告向けリマーケティング)とは?仕組みや設定方法を紹介
「Google広告でよく目にするRLSAとはどういったもの?」
「RLSAを活用して得られる効果が知りたい」
Google広告やYahoo!広告といった主要媒体でみられるRLSA。検索広告向けリマーケティングと呼び、自社のサイトに一度アクセスしたユーザーをターゲットに、リスト化して配信できる手法を指します。
アクセス経歴があるユーザーにピンポイントで配信できるため、予算を有効活用しつつ、より高い成果が期待できるでしょう。
そこで本記事では、検索広告向けリマーケティングのRLSAについてわかりやすく解説します。
基本的な仕組みから成果につながるコツまで紹介しますので、Web広告の成果をさらに高めたい方はぜひ参考にしてください。
この記事の目次
RLSAとは検索広告向けのリマーケティング手法のこと
RLSA(Remarketing Lists for Search Ads)とは、広告主のサイトに訪問もしくはアプリを利用したユーザーをターゲットに、限定的な配信ができる広告のこと。
Web広告におけるリマーケティング手法を指します。
そもそも、リマーケティング(リターゲティング)とは、一度でも自社商材やブランドに接点を持った消費者に対し、再度アプローチを図ることです。
少しでも認知や興味を示しているユーザーが多いことから、より成約につながりやすい手法といえるでしょう。
RLSAでは、リスティング広告の検索型広告において利用できるオプションです。すでに自社商材の情報を得ているユーザーに対して、カスタマイズして効果的に再表示できます。
RLSA(検索広告向けリマーケティング)の仕組み
自社のWebサイトにタグを設置して訪問したユーザーの情報を集めてリストを作成し、そのリスト情報をもとにして広告を配信する仕組みとなっています。
RLSAを使って通常の検索型広告(リスティング広告)にリストを連携させれば、ユーザーに表示される広告をコントロールできます。
RLSA(検索広告向けリマーケティング)で利用できるユーザーリスト
RLSAを活用するには、ユーザーリストを用意する必要があります。
利用できるリストは、自社サイトへの訪問者リストに限りません。幅広いリストを使うことができます。
Google広告とYahoo!広告で、利用可能なユーザーリストを以下の表にまとめました。
ユーザーリスト | Google広告 | Yahoo!広告 |
---|---|---|
Webサイトを訪れたユーザーリスト | 〇 | 〇 |
アプリユーザーリスト | 〇 | 〇 |
YouTubeのユーザーリスト | 〇 | × |
Googleアナリティクスのユーザーリスト | 〇 | × |
顧客の連絡先情報にもとづくユーザーリスト | 〇 | × |
AdWords optimized list(=Google 広告の最適化リスト) | 〇 | × |
Google広告では、GoogleアナリティクスやYouTubeとの連携ができます。Yahoo!と比較すると、より多くのリストを活用できます。
より幅広いリストを使ってRLSAを利用したい場合は、Google広告の運用を検討してみてください。
RLSA(検索広告向けリマーケティング)を利用できる媒体
RLSAを利用できる媒体は、Google広告とYahoo!広告の2種類です。ここでは、それぞれの媒体について特徴を解説します。
Google広告
Google広告は、RLSAを利用できる代表的な媒体です。
とくにGoogleの各種サービスと連携させたユーザーリストの作成ができるので、RLSA活用の幅が広く、より効果的な運用が見込めるでしょう。
またGoogle広告は、カスタマイズ性にも優れています。
Google広告のRLSAでは、サイトへの訪問者と非訪問者とで異なる広告内容に調整したり、単価にも強弱をつけたりといった柔軟な広告出稿が可能です。
参照:検索広告向けデータ セグメントについて|Google 広告 ヘルプ
Yahoo!広告
Yahoo!広告は、Yahoo!JAPANとのその提携先サイトで配信できる広告です。
Yahoo!広告でもRLSAを利用できます。Yahoo!広告では「サイトリターゲティング」という名称で呼ばれていますが、Google広告と同様のオプションです。
Google広告に比べると利用できるユーザーリストは少なくなってしまいますが、日本最大級のWebサイトであるYahoo!JAPANで検索型広告を出稿できるというメリットがあります。
参照:ウェブサイトを訪問したユーザーに広告を配信する(サイトリターゲティング)【運用型】|Yahoo!広告ヘルプ
RLSA(検索広告向けリマーケティング)のメリット
それでは、RLSAを活用する5つのメリットを解説します。
- コンバージョン率(CVR)向上が期待できる
- ユーザーに合わせて入札金額を調整できる
- 認知度の向上が期待できる
- 再訪問したユーザーに異なるアプローチができる
- キーワードをカスタマイズできる
コンバージョン率(CVR)向上が期待できる
RLSAを利用することで、コンバージョン率(CVR)の向上が期待できます。RLSAは、商材やブランドに関心のあるユーザーのリストを使った広告配信の手法です。
CVにつながりやすいユーザーに対してカスタマイズした広告を配信できるため、より広告効果を高められます。
ユーザーに合わせて入札金額を調整できる
RLSAを使えばユーザーにあわせて入札単価を調整できるため、予算をより最適化した運用が可能となります。
たとえば、自社サイトを訪れたユーザーのなかでも、特にサイトへの滞在時間が長かったユーザーに対して入札単価を上げて効率的にアプローチする、といった運用が可能です。CVにつながりやすいユーザーに対して優先的に予算を使うことで、コストパフォーマンスの高い広告運用が期待できます。
認知度の向上が期待できる
認知度の向上が期待できるのも、RLSAを活用して得られるメリットです。
ユーザーリストを使ってターゲットを絞り込むことで、たしかに広告を配信できるユーザーの数は限定されてしまいます。しかし、その分ターゲットユーザーより多く自社の広告を閲覧してもらえるため、一人あたりのインプレッション数を高めることが可能です。
関心のないユーザーへの表示を減らし、関心のあるユーザーへの表示を増やすことで、より効果的に認知度を向上させられます。
再訪問したユーザーに異なるアプローチができる
ユーザーごとに異なる手法でアプローチを実施できるのも、RLSAで得られるメリットです。
たとえば、自社の商材についてすでに知識があるユーザーと、まったく知識のないユーザーとでは、最適なアプローチには差があります。
RLSAを使えば、再訪問したユーザーに配信される広告の訴求テキストを変えたり、別のランディングページを用意したりといったアプローチができます。
ユーザーリストを用いて細かいセグメンテーションができるため、よりユーザーに合わせた的確なマーケティングを実現できるでしょう。
キーワードをカスタマイズできる
キーワードをカスタマイズできるのも、RLSAの大きなメリットです。
また、RLSAを使えば商材と関連性の薄いキーワードにも配信できるようになります。
たとえば、引っ越し業者が広告を出稿する場合、従来であれば「引っ越し業者」「運送会社」といったキーワードに広告を配信するのが基本でした。
しかし、引っ越しなどで電化製品の買い替えを検討しているユーザーは、「冷蔵庫」「洗濯機」といったキーワードでも検索を行います。
本来であれば、「冷蔵庫」といったキーワードに広告を配信しても、家電を探しているユーザーが多いため、引っ越し業者へのCVは見込めません。
そこで、自社のサイトを閲覧したユーザー(引っ越しを検討しているユーザー)に限定して、「冷蔵庫」といったキーワードで広告を配信すれば、コンバージョンが期待できるようになります。
RLSA(検索広告向けリマーケティング)の注意点
RLSAを利用する際の注意点を3つご紹介します。
- ターゲティングとモニタリングの違いを理解する
- リストサイズが小さいと配信が開始されない仕様になっている
- ユーザーリストの質によってターゲティング精度が異なる
ターゲティングとモニタリングの違いを理解する
RLSAを利用するにあたって、「ターゲティング」と「モニタリング」の違いを理解しておきましょう。
※Yahoo!広告の場合は「ターゲットリストのユーザー」と「全ユーザー」に区別される
ターゲティングは、RLSAを利用して限られたユーザーにのみ広告を配信する設定です。
一方モニタリングは、あくまでもリストに含まれるユーザーへの効果をチェックするだけの設定です。
モニタリングに設定されている場合、広告はリスト以外のユーザーにも配信されるため、注意しましょう。
リストサイズが小さいと配信が開始されない仕様になっている
ユーザーリストのサイズが小さい場合は、配信が開始されない仕様になっています。RLSAを使った広告配信には、十分な量のユーザーリストが欠かせません。
ユーザーリストが1,000を超えていなければ配信できないので、十分なリストが確保できてから配信を始めましょう。
ユーザーリストの質によってターゲティング精度が異なる
RLSAは、設定されたユーザーリストにもとづいて広告を配信するため、リストの質に広告の成果も左右されてしまいます。
たとえば、自社サイトを閲覧したユーザーのリストを使おうとしても、中にはポイントサイトを経由してきた関心の低いユーザーが含まれているかもしれません。
ユーザーリストの質が低いと、せっかくRLSAを使っても十分な成果は出せません。除外ユーザーリストを使うなど、高品質なリスト作成のために工夫する必要があります。
Google広告におけるRLSA(検索広告向けリマーケティング)の設定方法
では、Google広告におけるRLSAの設定方法をご紹介します。
- Google広告のトップ画面から「オーディエンス」を選択する
- 鉛筆のボタンをクリックし、「ターゲティング」を選択する
- 「閲覧」タブから「ユーザーがお客様のビジネスを利用した方法」を選択する
- ユーザーの中から任意のオーディエンスを選択して運用を開始する
参照:検索広告キャンペーンにデータ セグメントを設定する|Google 広告 ヘルプ
Yahoo!広告におけるRLSA(検索広告向けリマーケティング)の設定方法
続いて、Yahoo!広告におけるRLSAの設定方法をみていきましょう。
- 「検索広告」タブから「ツール」内の「ターゲットリスト管理」を選択する
- ターゲットリストの中から、紐づけたいリストにチェックを付ける
- 「関連付けの設定」から「広告グループに設定(配信)」を選択する
- 「関連付ける広告グループを選択」から、キャンペーンと広告グループを設定し、保存する
- キャンペーン管理」から選択した広告グループを選び、「ターゲティング」を選択する
- 「配信対象ユーザー」から「ターゲットリストのユーザー」を選択すると、リスト内のユーザーに広告配信を開始する
参照:ウェブサイトを訪問したユーザーに広告を配信する(サイトリターゲティング)【運用型】|Yahoo!広告ヘルプ
RLSA(検索広告向けリマーケティング)を運用するコツ
では最後に、RLSAを効果的に運用するためのコツを4つご紹介します。
- ユーザーリストのセグメンテーションをする
- ユーザーに応じて入札額を最適化する
- ビッグキーワードへアプローチをする
- カスタムクリエイティブを活用する
ユーザーリストのセグメンテーションをする
リスト内にあるユーザーのセグメンテーションを行いましょう。
RLSAを使うことで、CV率の高いユーザーに限定した広告配信ができます。
そこからさらに、リスト内のユーザーをセグメンテーションすることで、より各自に適した広告を配信できます。
ユーザーに応じて入札額を最適化する
入札額を最適化するのも、効果的な活用方法のひとつです。
一度訪問したユーザーへの入札単価だけを向上させるなど、入札額を調整すればRLSAの効果をより高めることができます。
ユーザーのセグメンテーションを踏まえて、入札単価も調整しましょう。
ビッグキーワードへアプローチをする
RLSAを使えば、ビッグキーワードにアプローチすることも可能です。
本来ビッグキーワードは競合が多く、単価が高騰しやすいため、成果を出すのは簡単ではありません。
RLSAを使って配信ターゲットを絞り込めば、ビッグキーワードでも成果を出しやすくなります。
検索ボリュームの多いビッグキーワードにアプローチして、広告効果をさらに高めましょう。
カスタムクリエイティブを活用する
「カスタムクリエイティブ」は、Google 広告で利用できるオプションのひとつです。
カスタムクリエイティブを使うことで、独自の広告配信ソリューションを作成でき、ユーザーに合わせて効果的な広告を配信できるのがメリットです。
クリエイティブは、Web広告の成果を左右する重要な要素です。RLSAとカスタムクリエイティブを併用して、よりユーザーに合った広告の配信を実現しましょう。
参照:カスタム クリエイティブを設定、管理する|Google アドマネージャー ヘルプ
RLSA(検索広告向けリマーケティング)を活用するならサイバーホルン
RLSAを活用したい企業のマーケティング担当者の方は、ぜひサイバーホルン株式会社にご相談ください。
RLSA広告を有効活用するには、Webマーケティングについての知見や運用ノウハウが欠かせません。自社内で効果的に運用するのは難易度が高いため、確実に成果を出したい場合は広告代理店への依頼がおすすめです。
サイバーホルン株式会社は、各種Web広告の運用代行はもちろん、Webマーケティング全般について幅広いアドバイスも実施しています。
弊社はGoogle広告はもちろん、Yahoo!広告のサポートもしていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ:RLSA(検索広告向けリマーケティング)でWeb広告の成果を高めよう
RLSAは、Google広告とYahoo!広告で利用できる広告オプションです。RLSAを使えば、任意のユーザーに限定して広告を配信できるため、より高いCV率と予算効率を実現できます。
RLSAを効果的に活用するには、質の高いリストを用意し、セグメンテーションやクリエイティブの設定を細かく行わなければなりません。通常のWeb広告運用よりも難易度は上がりますが、使いこなせればこれまでよりも高い成果が期待できます。