Google動的検索広告(DSA)とは?メリット・デメリットや設定方法を紹介
広告の見出しやキーワードの設定を自動で行える、動的検索広告。広告運用の手間をかけずにマーケティング活動ができると、注目を集めている広告形態の1つです。
動的検索広告の運用には注意点も多く、うまく運用するためにはポイントを押さえておかなければなりません。
そこで本記事では、動的検索広告のメリット・デメリット、成功に導く運用のコツについて紹介します。「手間をかけずに広告運用したい」「動的検索広告を運用してみたい」という方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
動的検索広告とはGoogleで配信できる検索連動型広告の1つ
動的検索広告(DSA:Dynamic Search Ads)は、Google広告で配信できる検索広告の1種です。自分で検索キーワードを登録する代わりに、対象となるページを登録すると、自動的に広告を配信することができます。
動的検索広告の仕組み
動的検索広告では、検索エンジンを利用する人が検索したキーワードをもとにして、各個人の好みや嗜好に合うと判断された広告見出しが自動的に生成されます。
広告の見出しは、広告主のWebサイトから得られた情報と関連性の高い文章情報をもとに生成されるため、わざわざ文章を設定する手間がかかりません。
一般的な広告では、見出しと説明文を設定する必要がありますが、動的検索広告では見出しを設定する必要がありません。広告クリック後の遷移先も自動で選定されます。広告の説明文については任意で設定可能です。
動的検索広告のメリット4つ
動的検索広告のメリットは、以下の4つです。
- 新たなキーワードを発見できる
- 広範囲のターゲット層にアプローチできる
- 広告設定・配信業務の負担を削減できる
- 広告効果の改善が見込める
それぞれのメリットについて解説します。
新たなキーワードを発見できる
動的検索広告には、自分のWebサイトでは活用しきれていない、新たな検索キーワードを発見できるというメリットがあります。
ユーザーのニーズは時代と共に変化しており、毎日のようにトレンドに合わせた新しい検索キーワードが登場しているのが現状です。これらすべてに手作業で対応するのはリソースの観点から現実的ではありません。
常に最新のニーズをキャッチアップして広告の文章に反映するという意味でも、動的検索広告は有効といえるでしょう。
広範囲のターゲット層にアプローチできる
動的検索広告を活用すると、そうでない場合よりも、広いターゲット層にアプローチすることができます。運営中のWebサイトにおけるキーワードの抜け漏れをカバーしたり、見落としていた新たなクエリを発見できたりするためです。
動的検索広告を活用すると、アプローチできるターゲット層が広がり、見込み客の増加が期待できるでしょう。
広告設定・配信業務の負担を削減できる
動的検索広告では、キーワードの追加や広告の変更といった作業をスキップできるので、広告を運用するための工数を大幅に削減できます。空いたリソースを別の業務に充てることができるので、会社全体の生産性向上に役立つでしょう。
ただし、自動で広告運用してくれるからといって完全に手放しにしてはいけません。レポートを確認したり、より多くのアクセスを確保するための改善施策を検討したり、Webサイトを定期的に見直す必要があるでしょう。
広告効果の改善が見込める
動的検索広告を活用すると、広告効果の改善が期待できます。動的検索広告で自動生成される見出しの中には、自分では思いつかなかったものの、クリック率が高い見出しが見られる場合も少なくありません。
広告を運用しながら見えてきたポイントを改善することで、サイト全体のコンバージョン率アップが期待できるでしょう。
動的検索広告のデメリット3つ
動的検索広告のデメリットは、以下の3つです。
- 広告見出しの表現を変更できない
- キーワードごとの入札単価を調整できない
- 予算がすぐに消化されるかもしれない
それぞれのデメリットについて解説します。
広告見出しの表現を変更できない
動的検索広告では、広告見出しの表現を変更できないというデメリットがあります。場合によっては、広告を掲載したくない検索語句に対して、広告が掲載されるリスクもあることは理解しておかなければなりません。
広告見出しとして使いたくない表現があるときは、除外キーワードを設定するのがおすすめです。
キーワードごとの入札単価を調整できない
動的検索広告では、キーワードごとの入札単価を調整できません。キーワード次第では競合他社との競争に勝てず、広告が表示されないリスクがあります。
確実に狙いたいキーワードがある場合は、従来の検索連動型広告で登録して、個別に入札単価を調整する方法が良いでしょう。
予算がすぐに消化されるかもしれない
動的検索広告では、本来は入札したくないキーワードにも広告が配信されるリスクがあります。広告を出稿したまま放置していると、想定外のキーワードに入札されて予算がすぐに消化されるリスクがあるため、注意しなければなりません。
無駄な出費を防ぐためにも、定期的な広告メンテナンスを行いましょう。
動的検索広告の実施に適しているサイトの特徴
動的検索広告の実施に適しているサイトの特徴は、以下の3つです。
- 商品数が豊富で大規模なサイト
- 情報の更新頻度が高いサイト
- SEOがしっかりと対策されているサイト
それぞれの特徴について解説します。
商品数が豊富で大規模なサイト
商品数が豊富で大規模なサイトでは、動的検索広告を取り入れることで、売上増加が期待できるかもしれません。商品数が豊富なサイトは、広告を運用し始める際に設定しなければならない項目が多く、これらを手動で行うには膨大な時間が必要になります。
大量の商品を扱うECサイトや、多数の洋服を扱うアパレル店のWebサイトでは、一人ひとりの顧客に対して最適な広告を配信するのが難しくなります。Webサイトを訪れる各個人に合わせて、相性の良い広告を自動的に生成する動的検索広告を取り入れると、広告を出稿する際の手間を大幅に減らせるでしょう。
情報の更新頻度が高いサイト
情報の更新頻度が高いWebサイトも、動的検索広告を取り入れることが有効です。Webサイトの画像や文章を更新するたびに広告の情報も更新するとなると、二重に手間が発生して広告運用者の負担が大きくなってしまいます。
動的検索広告では、広告コンテンツの作成から実際の出稿まで自動で行えるので、広告の運用効率をアップさせることができます。広告運用にかけていた時間を、経理や人事といった別の業務に充てることができるため、会社全体の生産性が高まるでしょう。
SEOがしっかりと対策されているサイト
動的検索広告は、SEO対策がされているサイトと相性が良いといわれています。SEO対策の中でも、特に内部対策が重要です。Webサイトのクローラビリティが良いと、Googleのクローラーに情報を正しく伝えられるため、より正確な情報を広告に反映させることができます。
動的検索広告の効果を最大限に高めるためにも、SEO内部対策にも力を入れると良いでしょう。SEO対策に使えるリソースが社内にないときは、外部のSEO対策会社への依頼も検討してみてください。
動的検索広告の配信設定方法4ステップ
実際に広告運用をスタートするためにやるべきことを、4つのステップにまとめて説明します。
- 専用の新しいキャンペーンを作成する
- 全般設定を進める
- 広告をグルーピングする
- 広告を制作する
4ステップの詳細について説明しておきましょう。
専用の新しいキャンペーンを作成する
まずは、対象アカウントを使って、新しいキャンペーンを作成していきます。
- 対象アカウントの「キャンペーン」をクリック
- 「+」をクリック
- 「新しいキャンペーン」をクリック
- 当てはまる達成目標を選択
- 宣伝タイプを選択
ここで選択した宣伝タイプに合わせて広告が流れますので、慎重に選択しましょう。
全般設定をする
新たなキャンペーンを作成したあとは、全般設定を進めていきます。
- 「ディスプレイネットワーク」が選択されているときはマークを外し、「詳細をすべて表示」をクリック
- 実際に使うドメインを入力
- 「WebサイトのGoogleインデックスを使用する」に確認マークを入れる
- 該当する言語・地域を選択
- 予算と入札単価を選択
- 広告表示オプションを選択
実際に使える金額を決定づけるときは、同時に進める他の施策よりも安くするのがポイントです。
広告をグルーピングする
広告をグルーピングするやり方は、以下の4ステップです。
- 広告グループの種類で「動的広告」を選択
- 広告のグループ名を決定づけて、Webサイト内のどのような記事コンテンツに広告を掲載するか考える
- 「すべてのWebページをターゲットに設定する」を選択
- 「保存して次へ」をクリック
上記3つ目の手順では、「この商品カテゴリだけ」のように細かい調整も可能です。
ただし、動的検索広告の運用経験がない方は、まずは広範囲のユーザーにリーチできる設定をすると安心でしょう。
広告を制作する
動的検索広告では、見出しは勝手に作成される一方、説明文は自分で設定しなければなりません。一般的な検索広告と同じように説明文を作って「保存して次へ」をクリックします。
説明文を書く際は、ユーザーに違和感を与えないように、汎用的な文章を設定しましょう。
動的検索広告を成功に導く運用のコツ
動的検索広告を成功に導く運用のコツを紹介します。
- 適切なターゲティング設定をする
- 配信の対象外にしたいキーワードやページの除外設定をする
- サーバーエラーを事前に解決しておく
- 広告配信が最適化されているか確認する
- 通常の検索広告よりも低い入札額からスタートする
一つひとつのコツについて深掘りします。
適切なターゲティング設定をする
動的検索広告を成功させるためには、適切なターゲティング設定が欠かせません。誤ったターゲティング設定をすると、求めているユーザーを集めることができず、コンバージョンにつながらない可能性があります。
自社の商品やサービスの特性をよく理解したうえで、適切なターゲティング設定をしましょう。
配信の対象外にしたいキーワードやページの除外設定をする
動的検索広告では、配信の対象外にしたいキーワードやページの除外設定をすることができます。実際には、ユーザーごとに最適なキーワードが自動的に生成されるものの、コンバージョンにつながらないキーワードが生成されることも少なくありません。
広告によるトラフィックやコンバージョン数の変化を分析しながら、適切な除外設定を行いましょう。
サーバーエラーを事前に解決しておく
動的検索広告の運用を開始する前に、サーバーエラーを解決しておくのも重要なポイントです。
サーバーに何らかのエラーがあると、広告が正しく配信されなかったり、期待していた効果が得られなかったりする可能性があるためです。
サーバーエラーを解消して、万全の状態で広告運用に臨みましょう。
広告配信が最適化されているか確認する
広告配信を始める前に、Webサイトやページが最適化されているかどうかチェックするのも大切です。特にタイトルは重要で、目にしたユーザーの興味関心を引きつけられるかどうか確認する必要があります。
コンテンツ内容が明確かどうか、印象に残るフレーズかどうかという視点で見直してみると良いでしょう。
通常の検索広告よりも低い入札額からスタートする
動的検索広告の運用が初めての方は、通常の検索広告よりも低い入札額からスタートしてください。
最初は、手探り状態で運用しながら改善を繰り返すことが大切です。失敗した時のリスクが大きくなるため、高い入札額で始める必要はありません。
広告運用を最適化できた段階で入札額をアップすると、費用対効果も良くなるでしょう。
まとめ:動的検索広告を活用してコンバージョンやサイト流入につなげよう
動的検索広告とは、広告見出しやキーワード設定が自動的に行われる広告です。「商品数が豊富なサイト」や「情報の更新頻度が高いサイト」との相性が良く、広告運用の効率アップが期待できます。
動的検索広告の設定で悩んだときは、ぜひ今回の内容を参考にしてみてください。「広告運用の手間を減らしたい」「広告の費用対効果を高めたい」という方の参考になれば幸いです。