【Looker Studio(旧:Googleデータポータル)】覚えておくと便利な関数を紹介
*2022年10月にGoogleデータポータルからLooker Studioに名前が変更されました。
この記事の目次
データポータルで関数が必要になるときとは?
Googleデータポータルでは、まずデータソースに接続し、そのデータソースの指標やディメンションを使ってレポートを作成したり、ダッシュボードを作成したりします。その際に、関数を使わずに表やグラフを作ることがほとんどですが、データソースに既存のディメンションや指標だけでは欲しい表やグラフを作成できないときがあります。
欲しい表に必要な指標が既存のデータにないときは関数を使うことで解決できるかもしれません。
以下で紹介する関数は良く使うので覚えておくと便利かもしれません。
CASE関数
まず初めに紹介するのが、CASE関数です。
この関数はExcelで使うIF関数と似たようなもので、ある条件のときにどんな結果を返すかという関数になります。
わかりやすく示したのが以下の計算式です。
CASE
WHEN 条件 THEN 結果
WHEN 条件 THEN 結果
ELSE 結果
END
CASE関数はENDでしめる必要があり、ExcelでいうIF関数のようにWHENを使います。WHENの後ろに、条件となるものを入力し、THENの後ろに結果として何を返すかを入力します。この条件は1つだけでなく、いくつか条件を作ることができ、条件ごとにWHENを使って計算式を入力することが可能です。条件付けしたいところをWHENを使って入力した後は、ELSEを使って上記の条件に合わないすべてのものに対しての結果を表示させます。最後はENDでCASE関数を閉めて完成となります。
この関数は具体的にどのような場面で使えるのでしょうか?
例えばこんな状況があるとします。
「地域名というディメンションがあり、そのデータの中に東京、千葉、福岡、香川という4つの地名が入っている」
そんなときに、「東京、福岡をまとめて本州と表示させ、福岡を九州、香川を四国と表示させた表が欲しい」という要望があったときにCASE関数をうまく使うことで解決できます。
具体的には以下のように計算式を入力します。
CASE
WHEN 地域名="福岡" THEN "九州"
WHEN 地域名="香川" THEN "四国"
ELSE "本州"
END
実際のデータポータルの計算フィールドでは以下のようになっています。
この計算式を入力することで、
から
に表示するディメンションの種類を変えることができました。
このようにしてCASE関数を使うと便利なことが多いでしょう。
REGEXP_MATCH関数
次に紹介するのが、REGEXP_MATCH関数です。
先ほど紹介したCASE関数のみでは、条件に完全一致しないと結果を返すことができません。一方で、REGEXP_MATCH関数をCASE関数と併用すると、条件に部分一致したものに対しても結果を返すことができるようになります。
理解するには実際の使い方を見た方がわかりやすいと思うので、具体例を紹介していきます。
例えばこんな状況を考えてみましょう。
「市区町村というディメンションがあり、その中に東京都の市区町村が2つ、埼玉県の市区町村が2つ、千葉県の市区町村が3つの計7つのデータが入っている」
その際に、「東京都の2つをまとめて東京都に、埼玉県の2つをまとめて埼玉県に、千葉県の3つをまとめて千葉県と表示させたい」という要望があったとします。
この場合は、先ほどのCASE関数とREGEXP_MATCH関数を組み合わせることで実現できます。
まず、データが以下のようになっています。
このデータを東京都、埼玉県、千葉県で部分一致を利用してまとめたいと思います。
CASE
WHEN REGEXP_MATCH(市区町村,"(.*)東京(.*)") THEN "東京都"
WHEN REGEXP_MATCH(市区町村,"(.*)埼玉(.*)") THEN "埼玉県"
WHEN REGEXP_MATCH(市区町村,"(.*)千葉(.*)") THEN "千葉県"
END
この計算式でディメンションを作成すると以下のようになります。
このように、都道府県名でまとめることができました。
使用した計算式の説明をしていきます。
(.*)東京(.*)
この部分は、テキスト上のどこかに「東京」が入っているということを示しています。
REGEXP_MATCH(市区町村,"(.*)東京(.*)")
この部分で、「市区町村」というディメンションの要素であるテキストが東京を含むということを示しています。
WHEN REGEXP_MATCH(市区町村,"(.*)東京(.*)") THEN "東京都"
したがって、この計算式は市区町村というディメンションの要素であるテキストが東京に部分一致するとき、東京都というテキストを返すというものになっています。
このように、REGEXP_MATCH関数を使い、部分一致をうまく利用することでレポートをより自分好みにカスタマイズすることが可能です。
おわりに
今回は、データポータルでよく使う関数について紹介してきました。
既存のデータソースの指標やディメンションのみでは、分析できることが限られてしまいます。ぜひ今回紹介した関数を使って、データポータルを有効活用しましょう。