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Google広告のP-MAXキャンペーンとは?メリット・デメリットや改善のコツを紹介

  • 2023.11.29
  • 2023.11.25

リスティング広告

「P-MAXキャンペーンと聞くけど、具体的にどのような広告なのだろうか?」
「P-MAXキャンペーンを駆使した広告運用で効果を高める有効な施策が知りたい」

P-MAXキャンペーンは、最も多くのユーザーが利用するGoogleで利用できるGoogle広告のオプションです。

キャンペーン一つでディスプレイやマップ、Gmail、YouTubeなど、あらゆる媒体で広告配信できます。AIによって広告配信を最適化できるのも魅力でしょう。

そこで本記事では、P-MAXキャンペーンの概要から配信方法、運用のコツまで分かりやすく解説します。

P-MAXキャンペーンとはGoogle広告の掲載枠全てに配信・最適化できるサービス

P-MAXキャンペーンは、作成した広告企画をGoogle広告が提供するすべての掲載枠で配信できるオプションです。

そもそもP-MAXは、「Performance Max」の略称。日本語訳で、パフォーマンス最大化を意味します。

その名前のとおり、細かい設定は不要なうえに、AI・機械学習を通じた運用の最適化が期待できます。

広告効果を最大化したいなら、P-MAXキャンペーンは有効な手法といえるでしょう。

配信可能なGoogle広告の掲載面

Google広告のあらゆる掲載枠に広告を配信できるのが、P-MAXキャンペーンの大きな特徴です。

配信できる主な掲載枠は、以下の通りです。

  • Google検索
  • Googleショッピング
  • Googleディスプレイ
  • YouTube
  • Discover
  • Gmail
  • Googleマップ

上記の掲載面に一挙に広告を配信できるため、広告運用の効率を大きく高められます。

P-MAXキャンペーンの入稿規定

P-MAXキャンペーンには、入稿規定が設けられています。

可能な限り、入稿規定に沿ってクリエイティブやテキストを設定することが推奨されています。

主な入稿規定を下記にまとめました。

項目最大枚数詳細
画像15枚最大ファイルサイズ:5,120KB
横長の画像推奨サイズ:1,200×628
最小サイズ:600×314
正方形の画像推奨サイズ:1,200×1,200
最小サイズ: 300×300
縦画像推奨サイズ: 960×1,200
最小サイズ: 480×600
ロゴ5枚ファイルサイズの上限:5,120KB
スクエアのロゴ推奨サイズ:1200×1200
最小サイズ:128×128
横長ロゴ推奨サイズ:1,200×300
最小サイズ:512×128
動画5本アカウント連携済みのYouTubeチャンネルでアップされた動画が追加可能
広告見出し5つ文字数上限:半角30文字(全角15文字)
長い広告見出し5つ文字数上限:半角90文字(全角45文字)
説明文5つ文字数上限:半角30文字(全角60文字)1つ
文字数上限:半角45文字(全角90文字)4つ
行動を促すフレーズ1つ下記から選択自動
詳細
見積もりを希望
申し込む
登録
お問合せ
ダウンロード
今すぐ予約
今すぐ購入
会社名1つ会社名もしくはブランド名を入力文字数上限:半角25文字(全角12文字)
その他のオプション2つ表示URLのパスを設定文字数上限:半角15文字(全角7文字)

参照:アセット グループの仕組み|Google広告ヘルプ

入稿規定を理解しておかなければ、そもそも広告配信ができません。効果を最大化するためにも、入稿規定は把握しておきましょう。

P-MAXキャンペーンの利用が向いているシーン

P-MAXキャンペーンの利用が向いているのは、以下のようなシーンです。

  • 長期間にわたって広告を配信したい
  • すでに複数の広告枠に配信している
  • 広告の成果が思うように出ていない
  • 運用ノウハウに乏しい

P-MAXキャンペーンは、中長期的な広告配信で成果を発揮するオプションです。

広告成果が思うように出ていない場合や、細かい運用ノウハウがない場合でも、機械学習を使った最適化で成果につなげられるチャンスがあります。

P-MAXキャンペーンのメリット

ここでは、P-MAXキャンペーンを活用するメリットを4つご紹介します。

  1. Google広告の全ての広告枠に配信できる
  2. 機械学習・AIによる自動化・最適化ができる
  3. 幅広いユーザーにアプローチできる
  4. コンバージョンの獲得を効率化できる

Google広告の全ての広告枠に配信できる

Google広告でP-MAXキャンペーンを使えば、ひとつのキャンペーンだけであらゆる広告枠に配信できます。一つひとつの広告枠のそれぞれに設定する必要がなくなるので、広告配信業務の効率化が期待できるでしょう。すでに複数の広告枠で配信している場合には、P-MAXキャンペーンを使うことでリソースを節約することも可能です。

機械学習・AIによる自動化・最適化ができる

機械学習・AIを使った自動化・最適化ができるのも、P-MAXを活用する場合の大きなメリットです。入札単価やターゲティング、配信枠などが自動的に設定され、成果に応じて最適化されます。複雑な設定や調整、ノウハウがなくても一定の成果を出しやすくなるでしょう。

幅広いユーザーにアプローチできる

P-MAXキャンペーンを使う事で、幅広いユーザーに効率的にアプローチするチャンスも広げられます。あらゆる広告枠に配信できることで、従来の広告運用ではリーチしきれていなかったユーザー層にも広告を届けられるようになり、思わぬ成果につながることもあるでしょう。

コンバージョンの獲得を効率化できる

P-MAXキャンペーンを使ってGoogle広告の配信を効率化できるため、コンバージョンの獲得も効率化することも可能です。単価や配信先、ターゲティングなどを自動で調整してもらえるため、これまでの広告配信よりも効率的に成果を出せるでしょう。

Google広告の公式ブログでは、P-MAXキャンペーンを使うことで、従来よりも平均18%以上のコンバージョン増が達成できたという報告も掲載されています。成果が思うように出ずに悩んでいる方は、ぜひP-MAXキャンペーンを活用してみてください。

参照:New ways to multiply your results with Performance Max|Ads & Commerce Blog

P-MAXキャンペーンのデメリット

P-MAXキャンペーンのデメリットを3つご紹介します。

  1. 細かい設定・調整が難しい
  2. 配信成果の理由が分かりにくい
  3. 1ヶ月程度の短期配信に向かない

細かい設定・調整が難しい

P-MAXキャンペーンを使えば自動的に広告運用の設定や調整を実施してくれますが、逆に言えば細かい設定・調整が難しいオプションでもあります。全体の予算やクリエイティブなどの設定は可能ですが、キーワードの設定や入札単価調整比率といった細かい調整はできません。

配信成果の理由が分かりにくい

P-MAXキャンペーンを使えば成果は出やすくなりますが、どのような施策のおかげで成果が出たのか、理由が分かりにくいというデメリットもあります。AIによる自動最適化が行われるため、実際にどのような配信設定を行ったのかが成果からは判断しきれず、簡単には検証できません。

成果が出てもその理由が分かりにくいため、効果的な運用のためのノウハウを蓄積するのはどうしても難しくなってしまいます。

1ヶ月程度の短期配信に向かない

P-MAXキャンペーンを活用して十分な成果を出すには、一定の期間続けて配信を行う必要があります。というのも、AI・機械学習による最適化で成果を出すためには、データを収集して学習する時間が必要だからです。

よって、1ヶ月程度の短期配信には向いていません。

なお、Google広告公式には、「少なくとも4~6週間」をテスト期間として確保しなければならない旨が明記されています。

参照:P-MAX キャンペーンの最新情報|Google 広告 ヘルプ

P-MAXキャンペーンの設定方法4ステップ

P-MAXキャンペーンの設定方法を、以下の4つの手順に分けて解説します。

  1. キャンペーンを作成する
  2. 予算と入札単価を設定する
  3. キャンペーンを設定する
  4. アセットグループの作成を行う

キャンペーンを作成する

はじめに、キャンペーンを作成します。Google広告のトップ画面から、「新しいキャンペーンを作成」を選択してください。

下記のような目標設定ページが表示されるので、「目標を指定せずにキャンペーンを作成する」を選択します。

なお、他の目的を選択してしまうと、以降の「P-MAX」は選択できません。

続いて、キャンペーンタイプのなかから「P-MAX」を選択してください。

目標とキャンペーン名を設定して、次に進みましょう。

予算と入札単価を設定する

続いて、予算と入札単価を設定しましょう。

重視している要素として、「コンバージョン」か「コンバージョン値」のいずれかを設定し、1日あたりの予算を入力します。

キャンペーンを設定する

続けて、キャンペーンの地域と言語、自動作成アセットの設定を行います。

自動作成アセットは、ランディングページなどのURLを入力することで、広告を自動的に作成してくれる機能のことです。

なお、自分で広告アセットを作成したい場合は、チェックを外しておきましょう。

アセットグループの作成を行う

この後は、アセットグループの作成を行います。

画像やロゴ、動画や説明文などを入力して、実際に配信される広告の外見を作るプロセスです。特にクリエイティブを十分な数用意しておくことで、アセットの組み合わせ数が増え、より高い成果が見込めるようになります。

アセットグループを設定できたら、オーディエンスシグナルなどの各種設定を行います。

オーディエンス名やカスタムセグメントなどの「新しいオーディエンスシグナル」は、設定が任意です。とはいえ、より機械学習のヒントを増やし、最適化されやすい状態を作るなら設定しておいてください。

設定後に「キャンペーンを公開」を選択すれば、入稿完了です。

P-MAXキャンペーンを有効活用する4つのコツ

それでは、P-MAXキャンペーンを有効活用するためのコツを4つご紹介します。

  1. 既存のキャンペーンと並行して運用する
  2. 的確なオーディエンス情報を学習させる
  3. 長期的な配信計画を立てて運用する
  4. クリエイティブを十分に用意する

既存のキャンペーンと並行して運用する

既存のキャンペーンと並行して運用しましょう。P-MAXキャンペーンは提供されてからまだ時間が経っておらず、十分な効果がすぐに出るとは限りません。

既存のキャンペーンですでに成果が出ているなら、運用を継続しながら少しずつP-MAXキャンペーンへと移行させていくといいでしょう。

的確なオーディエンス情報を学習させる

的確なオーディエンス情報を学習することで、P-MAXキャンペーンでより高い成果が見込めるでしょう。

配信する際には「オーディエンスシグナル」というユーザーのリストを設定でき、そのリストを参考にして機械学習による最適化が行われます。

顧客リストや自社サイトの訪問者リストなど、的確な情報を設定することで、より自社に最適なユーザー層への広告配信が期待できます。

長期的な配信計画を立てて運用する

長期的な配信計画を立ててP-MAXキャンペーンを運用することを検討してみてください。

P-MAXキャンペーンは、AIによる学習によって運用を最適化させていくため、十分な学習期間がなければ成果は出せません。

短期的な成果だけで評価するのではなく、AIの学習期間を考慮して、長期的な配信計画を立てて運用していきましょう。

クリエイティブを十分に用意する

クリエイティブは十分に用意しておきましょう。

P-MAXキャンペーンでは、用意したクリエイティブを使って自動的に広告ビジュアルの生成が行われます。つまり、素材が多ければ多いほど成果が期待できるでしょう。

入稿されているクリエイティブが不十分だと生成される広告が限定されてしまい、十分な最適化と改善を行えません。

Google公式のアナウンスと入稿規定をチェックし、推奨されている分だけクリエイティブを入稿するように心がけましょう。

P-MAXキャンペーン活用をするにあたっての注意点

P-MAXキャンペーンを活用する際は、以下の2つのポイントに注意してみてください。

  1. ショッピング広告との併用は既存キャンペーンの配信が縮小する恐れがある
  2. 除外キーワードの設定ができない

ショッピング広告との併用は既存キャンペーンの配信が縮小する恐れがある

通常の広告キャンペーンとP-MAXキャンペーンを併用した場合、元々成果が出ていたキャンペーンが縮小されてしまうかもしれません。

特に縮小が起こりやすいとされているのが、ショッピング広告。実際にGoogle広告は公式でも、ショッピング広告が縮小される可能性について指摘されています。

要約した内容を以下にまとめました。

P-MAXキャンペーンは、同じ商品を取り扱う既存ショッピングキャンペーンの広告よりも優先されます。よって、P-MAXキャンペーンのスタートで、既存ショッピングキャンペーンの広告掲載が減少し、P-MAXキャンペーンの広告掲載が開始されます。

なお、P-MAXの予算がショッピングキャンペーンと比べて低いケースでも適用されます。

参照:P-MAX キャンペーンの設定に関する問題|Google 広告 ヘルプ

P-MAXキャンペーンによる配信広告が優先されるため、ショッピング広告ですでに一定の成果が出ているなら慎重に検討する必要があるでしょう。

除外キーワードの設定ができない

除外キーワードの設定ができないという点も、P-MAXキャンペーンを活用するうえで注意したいポイントのひとつです。

Google広告は、ユーザーの検索キーワードにもとづいて配信されますが、除外キーワードを設定しておけば、特定のキーワードでは広告を配信しない、という使い方ができます。

しかし、P-MAXキャンペーンでは除外キーワードを設定できないため、他社の商標面に広告が出てしまう場合もあるなど、問題点もあります。

まとめ:P-MAXキャンペーンでGoogle広告の広告効果を最大化しよう

P-MAXキャンペーンを使えば、Google広告の運用を自動で最適化でき、細かい調整ノウハウがなくても、あらゆる掲載面に効率的に広告を配信できます。

メリットの大きいP-MAXキャンペーンですが、十分な成果を出すには、長期的な配信計画を立て、Googleが推奨する量のクリエイティブを用意する必要があります。また、既存のキャンペーンに悪影響が及ぶ恐れもあるため、運用中のキャンペーンの成果をふまえて慎重に検討しましょう。

  • 2023.11.29
  • 2023.11.25

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